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2011.11.22

「絵巻水滸伝」 第94回「幻夢」 一騎当千の怪人現る!?

 しばらく取り上げてきませんでしたが、その間ももちろん連載は続く「絵巻水滸伝」
 田虎編に入ってからは快進撃の続く梁山泊軍ですが、やはり敵も新たな国を樹立せんとする存在だけあって一筋縄ではいきません。いよいよ、恐るべき敵が梁山泊軍の前に立ち塞がることとなります。

 田虎軍の目を惹き付けるため、東路と西路に別れて進軍する梁山泊軍。西路を行く盧俊義軍は大軍で敵の目を引きつける陽動となり、東路を行く少数精鋭の宋江軍が、本隊として田虎のいる威勝を目指す――

 抱犢山を守る“黒龍”唐斌の意外な行動で“一百華旗”山士奇の守る壺関を抜いた宋江軍は、このままの勢いで昭徳城を攻めることになります。
 と、そこで梁山泊軍の策を見抜き、宋江軍を討つべくただ一人現れた黒衣の怪人――それこそは、田虎が僭称する「晋国」の国師・幻魔君喬道清!
 そのおどろおどろしい渾名が暗示するように、奇怪な幻術と妖術の遣い手であります。
 実は梁山泊が十節度使をはじめとする官軍の猛攻を受けていた際、一度顔を見せた喬道清ですが、梁山泊と本格的に対決するのはこれが初めて。
 戦力を二分したとはいえ、猛者揃いの梁山泊軍に対して、ただ一人挑むというのは、無謀と言うも愚かに思えますが…しかし、さすがはと言うべきか、その恐るべき力は梁山泊軍を――いやそれだけでなく田虎軍をも巻き込んだ混沌の中に放り込み、戦場を大混乱に陥れます。
(この辺り、ベタな感想で恐縮ですが、往年の名作ゲーム「水滸伝 天命の誓い」の戦場で、敵の妖術をくらって自軍が次々と行動不能となって、好漢たちも自分も呆然とした時のことを思い出しました)

 しかし、混沌の妖術と言えば、梁山泊にも遣い手はいます。
 そう、かつては喬道清同様に梁山泊の前に立ちはだかった混世魔王樊瑞が、喬道清に挑むこととなります。
 実は上記の梁山泊に喬道清が姿を現した際にも、彼と対峙した樊瑞は、いわば因縁の間柄。これは激しい戦いが期待されたのですが――


 実はここしばらくの展開は、これまでの官軍戦や征遼戦と異なり、物語の流れや人物の動き自体は原典とほとんど同じと言ってよい内容ではあります。
 しかし、そのディテールの書き込みと、それが生み出す物語の盛り上がりは、これまで同様、原典を遙かに上回ります。

 今回も、幻術に苦しめられる梁山泊の面々の姿を臨場感たっぷりに――そして如何にも本作らしい掘り下げとともに――描き出し、梁山泊軍の久々の(?)危機を、大いに盛り上げてくれるのが嬉しい。
 やっぱり水滸伝はこの辺りも含めて水滸伝だよねえ…というのは、意見が分かれるかもしれませんが――

 どうやら、喬道清の力にはまだまだ謎と因縁がある様子。その内容も含めて、この先の展開もまだまだ気になるところであります。

関連サイト
 キノトロープ 水滸伝


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