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2012.01.10

「たつめ神龍記」第1巻 後白河院を護るは少女と神龍!

 源平合戦の頃、後白河法皇の御座所を次々と襲う奇怪な妖怪たち。陰陽師たちも敵わぬ妖怪に一人立ち向かうのは、陰陽頭の孫娘で、己の体から神龍を呼び出す少女・たつめだった。源義経とともに、院を狙う妖怪たちと戦いを繰り広げるたつめだが、彼女の出生にはある秘密が…

 朝日新聞出版のwebコミック「H&F倶楽部」に連載中の平安伝奇アクションの第1巻であります。
 朝日新聞出版で漫画というのもちょっと違和感があるかもしれませんが、今は亡き朝日ソノラマからの流れでしょう。H&Fも、「ホラー&ファンタジー」の意であります。

 それはさておき、本作の舞台となっているのは平安時代末期、源平合戦の頃――源義仲が、入京したものの源義経らに討たれた直後の時期の物語であります。

 当時の最高権力者というべき後白河法皇を襲う妖怪たち――あるものは人の中に潜み、またあるものは御座所の建物と一体化して襲い来る妖怪たちに、陰陽寮の陰陽師たちも苦戦を強いられます。
 そんな中、ただ一人で次々と妖怪を粉砕していく者こそ、本作の主人公・たつめ――時の陰陽頭を祖父に持ち、その体から現れる不思議な神龍を武器とも相棒ともして戦う乙女であります。

 本作は、そのたつめが次々と妖怪と対決する、一種のゴーストハントものですが、彼女の相手役(?)として登場するのが、かの源義経というのが、ちょっと面白い。
 上で述べた通り、本作は義経が義仲を討った直後の時期が舞台なわけですが、史実ではこの後、義経は後白河法皇から平氏追討の宣旨を受けることとなります。
 本作での義経は、まさにこの宣旨を求めて後白河法皇のもとを訪れた際に妖怪騒動に巻き込まれ、たつめと出会うことになるのであります。

 我々が良く知るように、義経はこの後激動の人生を歩むことになるのですが、そこに本作での物語が、たつめの存在がどう絡むことになるのか…それは今後のお楽しみということでしょう。

 また、個人的には、それ以上に気になるのは後白河法皇の存在です。
 本作では、たつめが守るべき存在として(そして何よりも彼女の××として)影の主役とでも言いたいような存在ですが、しかし、史実では一筋縄ではいかない、というより大変に政治的な人物であります。

 おそらくは主人公カップルの今後の運命は、この人物が握ることになるのだと思われますが…果たして彼の負の部分が表れた時――そしてそれは、後白河法皇が妖怪たちに狙われる理由と繋がるのだと想像しますが――たつめはどのような行動を取るのか?

 法皇を狙う御前なる存在が操る謎の黒い龍の正体、いやそもそもたつめが操る神龍の正体ともども、注目したいと思います。
 正直なところ、絵的には地味なところがあるだけに、その辺りの展開で、ぐいぐいと引っ張っていただきたいものです。

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