「妖術武芸帳」 第11話「怪異かすみ駕籠」
掛川城下で怪しいすたすた坊主を追う覚禅。しかし覚禅は、その正体・霞道士の術中に陥り、捕らえられてしまう。一方、城代家老の娘が謎の病で倒れたと知った誠之介は、家老屋敷で、掛川藩が尾張大納言の陰謀に荷担するよう迫る道人を目撃。そこに割って入った誠之介だが、道士の術に苦しめられた上、覚禅が人質で手が出せない。しかし誠之介に恩義を感じた家老が覚禅を救い出し、その隙に誠之介は道士を倒すのだった。
「妖術武芸帳」も残すところあと3話、江戸から尾張に向かう旅も、掛川にまで辿り着きました。
アバンタイトルで描かれるのは、道人配下に担がれた怪しげな駕籠が夜道を行き、城代家老邸の閉まった門を通り抜けて入っていくという、怪奇色たっぷりな場面。
駕籠の中にいたのは毘沙道人、道人は家老の娘・たえの枕元に、彼女にしか見えない存在として現れ、恐怖か術か、彼女は高熱を出して寝込んでしまいます。
可哀想なのは、駕籠が入って出るまでの一部始終を目撃してしまった夜回りの老人。四賢八僧の一人・片目の霞道士に首を絞められた末、道士が口から吐き出す白い息をかけられ、夏だというのに凍死するのでした。
(ちなみに道士のこの術、他の幻術的な術と異なり、明確に超能力チックで面白い)
さて、尾張家江戸家老を見失ってしまった誠之介と覚禅は、とりあえず城下の飯屋に入りますが、そこに現れたのは片目のすたすた坊主(半裸で歌い踊る物乞いの一種)。
しかしすたすた坊主は本来冬に活動するもの。先ほど見た老人の凍死体といい、これはおかしいという誠之介の言葉に、覚禅は坊主を追って飛び出しますが…もちろんこれはいつものパターンであります。
坊主の泊まっている宿の部屋で覚禅が見たものは、部屋の奥に置かれた駕籠。と、駕籠が独りでにくるくると回りだし、開けてみれば中は怪しい空間に。そこに待ち受ける道士を追って飛び込んだ覚禅は、雪が降りしきる幻の空間に捕らわれ、凍えてしまうのでした(このシーン、無駄に長い)。
一方、飯屋に残った誠之介は、家老の屋敷に勤めていた飯屋の娘から、家老の娘が急な病で倒れたと聞き、怪しみます。
誠之介を妨害する道士と配下を撃退し、屋敷への潜入に成功した誠之介が見たのは、家老を前にした道人の姿でした。
娘の命と引き換えに、掛川藩主大田備中守を説き伏せ、尾張大納言の将軍就任に加担させろと家老に迫る道人。
娘の命を救い、お家のためにもなるという道人の甘言に揺れる家老ですが、そこに舌鋒鋭く誠之介が割って入ったことで正気を取り戻します。
今回、やけにあっさりと道人が引き下がり、娘の熱もすぐに引き下がったのは拍子抜けだすが、それはともかく道人を追った誠之介が駕籠に追いついて開けてみれば…
そこに待ち受けていたのは道士。虚を突かれた誠之介は瞬間催眠術にかかり、激しい吹雪の空間で道士たちの襲撃を受けます。
劣勢となった誠之介ですが、しかしここで勝ちに逸った道士が繰り出した一刀が誠之介の一刀と交錯した衝撃によってか(この辺り、今ひとつ理屈がわからない…)幻の世界からの脱出に成功。
しかし今度は捕らえられていた覚禅を人質にされ、手が出せぬまま、道士の短刀投げに苦しめられます。
絶体絶命の二人。しかしその時現れた城代家老が覚禅を救い出して一気に形勢逆転。誠之介の一刀に道士は倒れるのでした。
危ういところで自分の目を覚まさせてくれた誠之介に恩義を感じ、助けに来てくれた家老。彼はさらに、尾張藩家老が翌朝出発することを告げて去っていくのでした。
そして誠之介たちも去った後、斬られた配下たちが立ち上がり彼らが担ぐ駕籠の中には毘沙道人が…という、何とも不気味な余韻を残して、今回は終わります。
楓さんがいなかったり、道人があっさり引き下がったりとすっきりしない部分はありますが、安藤三男演じる道士の迫力もあり、それなりに雰囲気の出たエピソードでした。
今回の妖術師
霞道士
白髪で眼帯をした男。口から冷たい息を吐き出して人を凍死させる。また、駕籠を用いた幻術で相手を幻の空間に引きずり込み、吹雪の中で苦しめる。
掛川藩城代家老を脅かす道人のフォローに回り、覚禅を捕らえ、誠之介をも苦しめた。が、誠之介に幻の空間から脱出され、人質とした覚禅も城代家老に奪われた末、誠之介に一刀の下に斬られた。
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