« 「帝都幻談」下巻 魔の刻に抗するもの | トップページ | 「新選組刃義抄 アサギ」第7巻 新選組の中の陰と陽 »

2012.02.08

「妖術武芸帳」 第12話「怪異冥界夢」

 二手に分かれて尾張藩家老を追う覚禅と誠之介。しかし覚禅が追った側は偽物だった。一方、誠之介の前には冥界道士に誠之介打倒を依頼された浪人・片岡新三郎が現れる。誠之介は新三郎が騙されていると教え、彼に変装して道士のもとに向かう。が、新三郎は道士に殺され、誠之介も術に陥り母が地獄で苦しむ姿を見る。母の言葉に刀を捨てかけた誠之介だが、駆けつけた楓の言葉で術が破れる。道士は誠之介に敗れ自爆するのだった。

 いよいよラスト一話前。旅の目的地たる尾張も目前ですが…誠之介たちが追う尾張藩江戸家老の駕籠が、秋葉街道と東海道の両方に現れたところから今回は始まります。
 覚禅は東海道が本物と睨み、一人そちらの方へ。残された誠之介は秋葉街道を行くことになります。

 と、その街道では、何でも壺の中から取り出して見せるという触れ込みの大道芸人が。その前を「何だ目眩ましか」と吐き捨てて去っていった浪人・片岡新三郎の前に、道人配下たちが現れます。
 しかし新三郎は田宮流抜刀術の使い手、これをただ一人でバッサバッサと斬り捨ててしまいます。その前に現れたのはあの芸人、実は四賢八僧の一人・冥界道士。道士は、誠之介を斬れば召抱えるという尾張大納言の書状を持ち出し、新三郎をけしかけます。

 その頃覚禅は、東海道の行列に上から岩を落とし、その混乱の中で駕籠の中身を改めるという、今回も豪快な手に打って出ますが、しかし駕籠の中は空。取り巻く配下を相手に大暴れする覚禅を、忍び装束の楓が煙玉を投げて救い出すのでした。

 さて、秋葉街道の方では、誠之介の前に新三郎が出現。新三郎の攻撃を辛うじて凌ぐ誠之介に、隠れていた配下が吹き矢を放ちます。それでカラクリを見破った誠之介は、配下を倒すと、新三郎が騙されていると諭します。半信半疑だった新三郎が書状を出してみると、それは白紙――

 さて、道士と落ち合う約束の修験堂を訪れた新三郎。しかしその前に現れた道士は、新三郎が二人いるのかと嗤います。道士が壺の中から取り出したのは人形の首…と思いきやそれが変じて新三郎の首に(いやー似てないプロップ、と思ったら人形の首で一安心。いや後のプロップも似ていたかと言えば…)。
 新三郎に化けていた誠之介は、巨大化した道士の壺を斬るのですが、その中から現れたのは、下に下に伸びる階段であります。

 その階段を降りていく誠之介が見たのは、責め苛まれる一人の婦人。彼女は、自分は誠之介が五歳の時に死んだ母だと告げます。母が苦しむ姿に耐え切れず、彼女が言うままに刀を捨てようとする誠之介ですが――
 その時聞こえた楓の姿が、誠之介を救います。自分の変装を見破られた動揺から生じた一瞬の隙を突かれて術中に陥った誠之介。その術が、覚禅とともに駆けつけた楓の声で破られたのです。

 敵味方入り混じっての大乱戦の中、堂の中に道士を追い詰める誠之介(「母に会わせてもらった礼を言おう。しかし生憎だが私の母は地獄におらん」という台詞が格好いい)。道士は赤い煙と化し、宙に浮かんだ壺に逃げ込んだに見えたのですが――
 しかし、誠之介も二度は術にかかりません。道士が実は屋根の上に逃げていたのを見破り、一撃を加えます。道士は誠之介もろとも自爆を狙ったのを楓に見破られ、一人炎の中に消えるのでした。

 配下を片付けると、家老が山道伝いに尾張に入ることを誠之介に教えて去っていく覚禅。いよいよ決戦は目前であります。


 今回何と言っても印象に残るのは、剣士には剣士と誠之介の前に立ち塞がる浪人・片岡新三郎。不敵な面構えがなかなか良いのですが、実は演じていたのは月形龍之介の子・哲之介。今回は登場しませんでしたが、父は香たき殿を演じているわけで、父子が同じ番組に登場したことになります。

 武術vs妖術をテーマとした作品で、武術vs武術を描くというのは、これはこれで実に面白い変化球。ただ、最終回一話前にやる話かな、と思わないでもありませんが…


今回の妖術師
冥界道士

 壺を用いた妖術を得意とする男。壺の中から何でも取り出したり、壺の中に赤い煙と化して消え去ったりといった術を使う。
 片岡新三郎をけしかけて誠之介を狙うが失敗、誠之介と対決した際に、壺の中から地獄に続く階段を出して、彼の母が責め苛まれる姿を見せつけて苦しめた。が、術が敗れた後は誠之介に敵わず、自爆して道連れを狙うも、躱されて一人燃え尽きた。


関連記事
 「妖術武芸帳」 放映リスト&キャラクター紹介

|

« 「帝都幻談」下巻 魔の刻に抗するもの | トップページ | 「新選組刃義抄 アサギ」第7巻 新選組の中の陰と陽 »

コメント

「ゲストスター」のはずの片岡新三郎。だがやられる場面、経緯が無かったり、誠之介の母も、何かどういった素性の女性なのか、説明も不足。よくできてる作品だけにここらへんの粗さが惜しい。個人的には、むしろ楓さんの活躍がうれしい回です。ただ最後の立ち回りだと、下っ端にやられそうになって、誠之介や覚禅に助けられてる。何かこの珍しい弱さが、かえってそそります(笑)

投稿: エージェント・スイス | 2012.02.13 22:25

エージェント・スイス様:
片岡新三郎、一回限りのゲストとするには少々もったいないキャラクターでした。誠之介の母も、もっと作品が続けば色々と描かれていたかもしれませんね。
しかし楓さん、単純な戦闘力を抜きにすれば、やっぱりお兄さんより役に立っているような…

投稿: 三田主水 | 2012.02.15 00:43

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13655/53913757

この記事へのトラックバック一覧です: 「妖術武芸帳」 第12話「怪異冥界夢」:

« 「帝都幻談」下巻 魔の刻に抗するもの | トップページ | 「新選組刃義抄 アサギ」第7巻 新選組の中の陰と陽 »