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2012.03.18

「石影妖漫画譚」第6巻 育ってきた個性たち

 妖怪絵師・烏山石影が江戸を騒がす妖怪事件に挑む…というパターンから良い意味で外れ始めた「石影妖漫画譚」も早いものでもう第6巻。白狒々との戦いも冒頭で決着して、バラエティ豊かな物語が収録された巻となっています。

 これまで大長編・長編エピソードが続いてきた本作ですが、この巻では久々に数話で完結する中短編エピソードを収録。
 白狒々のエピソードで石影や毛羽毛現らレギュラー陣が江戸を離れている間、火付盗賊改・中山騎鉄が出会った事件をはじめ、名うてのスリ・本所の六郎の魂を奪った女妖怪との対決、願いを叶えるという妖怪を巡る女性キャラたちの醜すぎる争い、そして石影の画集を出そうとする地本問屋の娘の登場と、かなりバラエティに富んでいる印象です。

 特に、中山騎鉄の主役編は、「異聞 中山騎鉄妖犯科帳」と銘打っての作中スピンオフぶりがなかなか楽しい一編であります。
 凶剣士・入間との死闘の中で怪視なる(石影も垂涎の)能力を手に入れたことで人ならざるモノが見えるようになった騎鉄が出会った少女の幽霊を巡るこのエピソードは、石影の出番こそほとんどないものの、バトルあり人情ありと、いかにも本作らしい内容。
 相変わらず火盗改の面子が珍妙な格好をしているのが気になりすぎるのですが、その点をさっ引けば、まずまずのエピソード、石影も主役の座を奪われかねない? と思わせられる一編でした。

 その他にも、この巻では石影以外のキャラクターの出番が多かった印象もあり――特に毛羽毛現、毛倡妓、大家、ヨヨの女子会エピソードは良くも悪くも強烈な印象を残します――ほとんど石影の個性だけで持っていた感のある本作も、だいぶ個性的な面々が育ってきたな、というのが、この巻を読んでの正直な印象です。

 そして中短編エピソードが展開する合間にも、奇怪な「敵」の存在が少しずつ見え始め、一つの長編作品としての目配りがあるのもなかなか嬉しい。
 次巻予告では、騎鉄をはじめとして、これまで登場した(戦力になる)キャラクターたちが集まる様子で、この手の展開が大好きな私にとっては、まだまだ楽しめそうな印象であります。

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