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2012.04.11

「天下一!!」第4巻 彼女が歴史を変えるわけ

 戦国時代にタイムスリップしてしまった女子高生・武井虎が、信長の小姓となって悪戦苦闘の時代劇漫画「天下一!!」第4巻はなかなかに激動の展開。
 現代に帰るための条件として彼女に与えられたのは、信長を本能寺で生き延びさせること。物語の舞台は、その本能寺の変が起きた天正10年に…

 と言われても、本能寺の変が起きるなどと知っているのはもちろん後世の人間のみ。そのまさに後世の人間である虎にしても(いかにKYな彼女でも)、そんなことを信長や周囲の人間に主張するわけにもいきません。
 いまや信長は旭日の勢い、ついに武田家を滅ぼし、その勢力は四国中国にも及ぶ、まさに天下人なのですから…

 そんなわけで、ある意味安定した暮らしの虎ですが、そんな中で、彼女と森乱丸の仲もいよいよ接近。ついには…というわけで、実にリア充状態の彼女ですが、しかしそうなればなるほど、彼女は複雑な立場に立たされることになります。
 本能寺の変を防いで元の時代に戻れば乱丸と別れることになり、本能寺の変を防げなければ乱丸は討ち死に――

 どちらに転んでもバッドエンド、という結末になってしまうのですが、いずれにせよ、本能寺の変を防ぐこと、つまりは歴史を変えるということが、彼女自身の愛する人を救うことにはなるわけで、この辺りは良くあるパターンではありますが、うまいシチュエーション設定と言えるでしょう。

 そしてこの巻では、「歴史を変える」ということが、思わぬ形でクローズアップされることとなります。
 そう、歴史を変えることを背負わされたのは、虎だけではなく――

 いやはや、おそらくは終盤に来て非常に意外な展開、さすがにこれは少なからず驚かされましたが、しかしこれが果たしていかなる意味を虎の運命にもたらすのか。
 既に一部とはいえ歴史は(またえらくマニアックなところで)修正され、時の流れが不変ではないことが示されるのですが…しかし、何となく悪い予感しかしないのは何故か。


 この巻のラストでは、天下国家の行方などよりも、歴史の運行などよりも遙かに大事であろうイベントが虎を待っているのですが…さて、この幸せが彼女に何をもたらすのか。
 おそらくはもう少しで完結ではないかと思われますが、ここまで来て、いよいよ良い意味で先が読めなくなってきたことであります。

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