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2012.04.28

「常住戦陣!! ムシブギョー」第5巻 激突、蟲奉行所vs蟲狩!

 巨大蟲から江戸を護るために戦う新中町奉行所、人呼んで「蟲奉行所」の活躍を描く「常住戦陣!! ムシブギョー」の第5巻であります。
 この巻では、主人公・仁兵衛の所属する市中見廻り組解散の危機から一転、謎の蟲奉行を巡り総力戦が展開されることになります。

 第4巻のラストで、寺社見廻り組与力・白榊により解散を命じられた市中見廻り組。彼らに替わり、江戸の町に現れる蟲の迎撃は、寺社見廻り組が担当することになりますが――
 さすがに所轄違いも甚だしいのでは…というのはともかく、蟲退治の成果は挙がるものの、江戸の町に暮らす民のことを考えぬ白榊。
 それまでは耐えてきた仁兵衛も、周囲の風景に擬態して姿を消すナナフシを、町もろとも吹き飛ばそうという白榊のやり方についに爆発することになります(その爆発の仕方がまた彼らしくて良いのですが)。

 落ちこぼれチームがエリートチームに押しのけられながらも、地道な努力で逆転、自分たちの存在を認めさせるというのは定番のパターンではあります。
 しかし、この対ナナフシ戦においては、仁兵衛ら市中見廻り組のみならず、彼らが護る江戸の町人たちも一体となって倒すという展開で、これは実に爽快、気持ちの良い内容となっていたのには感心いたしました。

 そして後半では、八丈島に存在する「離れ」に年に一度籠もった蟲奉行の命を狙う謎の集団「蟲狩」と、蟲奉行所の全面対決編がスタート。

 「蟲狩」は、巨大蟲を狩る謎の存在であり、市中見廻り組のエースであり、仁兵衛の目標でもある無涯も所属していた集団。
 その彼らが、何故か蟲奉行を目の敵にし、ついにその命を奪わんと、八丈島目指して侵攻してくることに――

 かくて、蟲奉行所市中見廻り組と寺社廻り組vs八人の異形の蟲狩衆の全面対決が勃発。
 蟲抜きのバトル展開ではありますが、しかしケレンの利かせようはなかなかのもので、敵の一番手・三節棍+鎖鎌という面白武器を操る末那蚕vs白榊の対決は、きちんと熱血バトル漫画の王道をいく内容であったかと思います(こういう熱血は大好物であります)

 一方、仁兵衛の方は、火鉢と二人、先行して八丈島に上陸。仁兵衛はそれと知らずに蟲奉行と対面し、彼女を守るべく(本当は彼女の方が実力は上なのですが)奔走することとなります。

 この辺り、仁兵衛の空気の読めなさは相変わらずなのですが、前巻では仁兵衛とヒロインという、ツッコミ不在のWボケがどうにも好きになれなかったところ、今回は蟲奉行が一応ツッコミ役となるのは好印象でした。


 しかし、この巻では仁兵衛と蟲奉行が蟲狩の猛攻に窮地に陥ったところで終了。
 果たして二人がいかにして窮地を脱するのか、そしてそもそも何故蟲狩が蟲奉行を敵視し、その命を奪おうとするのか、まだまだ先の展開は見えません。

 しかし、以前にほのめかされた驚くべき世界観の秘密に加えて、仁兵衛自身の過去と因縁のある蟲の存在も再び描かれ、なかなかに気になることばかり。

 仁兵衛のキャラクターは…これはもうこのままかと思いますが、彼がこの物語で果たす役割――彼がこの物語に登場する必然性と言ってもよろしい――が何なのかは、やはり大いに気になるのであります。

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