« 「蝶獣戯譚Ⅱ」第1巻 己を殺し、敵を殺す女、再び | トップページ | 「新説時代劇集 忍者猿飛」第1巻 独特の空気感の忍者活劇+歴史劇 »

2012.05.06

「風雲! 大籠城 改」 設定も楽しいタワーディフェンス

 時は太平、戦乱が遠い過去となった時代。しかしそんなある日、突如現れた闇の軍団が日本各地を襲撃、各地を守る城が危機に陥ってしまう。この窮地に幕府が頼ったのは籠城を専門とする忍者の一族・籠流だった。将軍直々の依頼を受けた当代の籠流当主・城守は、各地の城を守るための戦いに旅立つ。

 TVゲームのジャンルの中に、いわゆるタワーディフェンスゲームというものがあります。分類で言えば、シミュレーションゲームに分類されるリアルタイムストラテジーの、さらにサブジャンルということになるでしょうか。
 簡単に言えば、その名の通り、塔などの拠点を防衛するゲーム、決められた目的地への敵の侵攻を防ぐため、通路の途中に、様々な種類のユニットを配置して、敵の妨害・撃退を行うことにより、一定時間拠点を守る…という内容であります。

 本作は、そのタワーディフェンスを、時代ものに置き換えた作品。
 タワーをお城に、防御側のユニットは槍兵・弓兵・鉄砲・武将・大砲に、攻撃側のユニットは侍や忍者、妖術使いに――
 身も蓋もない言い方をしてしまえば、そのままタワーディフェンスの骨格に時代もののガワを被せたものではあるのですが、しかしそれでもゲームとして違和感なく、そして時代ものゲームとしても楽しいのは、元のゲームバランスの良さと、時代ものへのアレンジの巧みさなのでしょう。

 正直なところ、時代ものとしての本作は――ガワとしての部分を除けば――絵巻(ストーリー)モードの幕間の紙芝居的やり取りがメインなのですが、しかし、タワーディフェンスという概念を「籠城」という一言に置き換えて、その上で「籠城専門の忍者一族」という設定を提示してみせるのには、もう痺れるしかない…というのは甘すぎるでしょうか。
(真面目に見ると、メインキャラの中に大岡越前の弟がいることから享保年間と思われるのに、城守に付き従う老忍者が若い頃は戦国時代、という謎の設定ではあるのですが…まあ、五稜郭ステージがある時点でファンタジーではあります)

 と、妙なところで喜ぶ時代ゲームファンはともかく、純粋にゲームとして本作が良くできていることは、パッケージソフトとしての発売後、絵巻モードなしで数ステージを抜き出した(あるいは新たに設定した)「甘口」「辛口」「中辛」の各ダウンロードソフトが発売され、さらに先日、いわば完全版として「風雲! 大籠城改」が発売されたことからも察せられるというものです。

 単純なようでいて意外と合う合わないの出やすいタワーディフェンスですが、その入門編としても楽しめる良作であります。

「風雲! 大籠城 改」(河本産業 ニンテンドーDSiウェア)


関連サイト
 公式サイト

|

« 「蝶獣戯譚Ⅱ」第1巻 己を殺し、敵を殺す女、再び | トップページ | 「新説時代劇集 忍者猿飛」第1巻 独特の空気感の忍者活劇+歴史劇 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13655/54650751

この記事へのトラックバック一覧です: 「風雲! 大籠城 改」 設定も楽しいタワーディフェンス:

« 「蝶獣戯譚Ⅱ」第1巻 己を殺し、敵を殺す女、再び | トップページ | 「新説時代劇集 忍者猿飛」第1巻 独特の空気感の忍者活劇+歴史劇 »