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2012.06.10

「笑傲江湖」 第1話・第2話 アレンジの効いた開幕篇

 おくればせながら…で誠に恐縮ですが、CSで再放送が開始されたのを機に、TVドラマ版の「笑傲江湖」を見始めました。李亞鵬主演の2001年版であります。

 「笑傲江湖」は、(ファンの方々には言うまでもないことですが)武侠小説界の巨人・金庸の代表作の一つ。日本では「秘曲 笑傲江湖」のタイトルで邦訳されています。
 会得した者に無敵の力を与えるという伝説の武術書の争奪戦を縦糸に、正派と邪派をはじめとする武林(武術界)内の勢力争いを横糸とした本作は、邦訳版で全8巻にも及ぶ長大な物語ながら、様々な登場人物と秘術の数々、幾つの謎と伏線が絡みあい、最初から最後までこちらを飽きさせない、波瀾万丈の大作であります。
(香港映画ファンにとっては、「スウォーズマン」シリーズの原作、東方不敗が登場するアレ、と言えば一発かと思いますが)

 当然私も原作は既読で、大好きな作品ではありますが、これまでなかなか機会がなくTVドラマ版を見れずにいたところ、今回の再(再)放送は、まことにありがたい機会であります。


 さて、今回は第1,2話を見たのですが、基本的な流れは変わらないものの、かなりアレンジが加えられていたのが面白い。
 そのアレンジとは、冒頭から主人公・令狐冲が登場することなのですが…と書けば、本作(の原作)のことをご存じない方は不思議に思われるかもしれません。

 実は本作は、主人公が登場するまで、いささか間があります。
 これは金庸作品には少なくないことではありますが(親の代から始まる作品もありますし、主人公がラストに登場、というのもあったり)、本作の場合、あまりプロローグ的な印象もなく、いきなり物語が走り始める構成。そのため、ここで中心となる林平之というキャラクターが主人公と、多くの読者が勘違いしてしまうのであります(彼ももちろん重要人物ではあるのですが…)。

 それがこのTVドラマ版では、危難に陥った林平之を、幾度となく令狐冲が救うという形で登場させるというアレンジ(さらに彼と共に妹弟子の岳霊珊も活躍するのに、この先の展開を知っている人間はニヤリ)。
 原作をアレンジするのには否定的な向きも多いかと思いますが、私的には大いにアリだと思います。

 ちなみに原作での令狐冲の登場は非常に変則的で、彼によって色魔から救われたヒロインの一人・儀琳の口から、彼の活躍が語られることとなります。
 TVドラマ版ではその辺り、普通に令狐冲の活躍を描いていて、これもまた、それなりに理解できるアレンジではありましょう。
(あ、任盈盈といきなり対面したのはどうかと思いますが…)

 と、アレンジの話ばかり書いてしまいましたが、全体的な出来は、まずまずかと思います。
 何よりも、この頃はあまり武侠ドラマでもCGは使われていなかったようで――ワイヤーワークはもちろん使っているものの――アクションをきちんと見せてくれるのが好感が持てます。
 キャストも(第一印象ではありますが)イメージを外していないように感じました。

 ただし、全40話という中で、第2話までの段階であまり物語が進んでいない(サブタイトルの段階までも進んでいない!)のはちょっと心配ではありますが――
 その辺り、これからどう進んでいくのかも含めて、やはり先の展開が気になる作品ではあります。

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