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2012.06.16

「つじうろ 武士斬り かまいたち」 良海和尚、再び参上!

 「裏宗家四代目服部半蔵花録」のかねた丸による異色捕物帖漫画「つじうろ」が帰ってきました。
 謎の(?)何でも屋・良海和尚と、岡っ引き志望の娘・柚子のコンビが事件に挑む本作の第2弾が、「コミック乱ツインズ」の7月号に掲載されたのです。

 岡っ引きの父の真似をしては事件に首を突っ込み、雷を落とされている鉄火娘・柚子。そんな彼女が、自分の目の前で殺された男の謎を巡り、どんな依頼も「了解」と二つ返事で引き受ける謎の坊主・良海和尚とともに事件解決に奔走する――
 というのが、「コミック乱ツインズ」3月号に掲載され、好評を博した前作の内容ですが、今回はそれから2ヶ月後の物語であります。

 自らの正体を周囲に明かし、息子とともに江戸を去った良海和尚。しかしほとぼりが冷めたと思ったか、密かに江戸に帰ってきた和尚ですが…そこでいきなり出くわしたのは、武士ばかりを狙う辻斬り、人呼んで「かまいたち」。
 かまいたちと刃を交えながらも生き残った良海は、かまいたちを追いかけてきた柚子と早速再会。良海は、今回の被害者が、柚子の通っていた道場の門弟と知り、柚子にくっついて道場に顔を出すのですが…


 と、今回の敵は辻斬り、それも刀を持った相手ばかりを襲う腕利きとあって、前作以上にアクション面は充実している印象。
 作者は「裏宗家四代目服部半蔵花録」で忍法vs忍法、剣法vs剣法をダイナミックに描いてきただけにアクション描写はお手の物、というところでしょう。特にクライマックスの剣戟は、良海の豪快なフィニッシュに目を奪われました。

 また、その良海の意外な正体が、前作の一つのクライマックスだったわけですが、今回はそれが明らかになっているため、売り(?)の一つが欠けることにいささか不安を抱いていたのですが…
 しかし、そこももちろん、きっちりと目配りされております。内容の核心に関することのため、ここでは詳しくは書きませんが、武士ばかり狙う辻斬りの心の内が、良海のそれと重なるという構造はうまい。

 個人的には、しかし、ここで下手人が自分の心中を全て口に出して喋ってしまうのが残念ではあったのですが――
 もっともこの辺り、全てを飲み込んで語らぬ良海とのコントラスト、と言えるかもしれません(その代わり、柚子が代弁して色々と喋るのですが…)。


 それにしても、わずか2回でこのコンビもすっかり定着した印象。個人的には、単発ものだけでなく、もう少し長いエピソードも読んでみたいと強く思うのですが…
 こればかりは、すぐに「了解!」といかないのかもしれませんが、しかしやはり期待してしまうのであります。

「つじうろ 武士斬り かまいたち」(かねた丸 「コミック乱ツインズ」2012年7月号掲載)


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