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2012.07.25

「笑傲江湖」 第9話・第10話 令狐冲、負傷ロードに踏み込む

 まことに申し訳ないですが、主人公が酷い目に遭うほど面白くなっていく「笑傲江湖」。この第9話第10話では、いよいよ本格的に令狐冲が抜き差しならない状況に追い込まれていくことになるのですが、それには意外な黒幕が!?

 謹慎処分で一年間籠ることとなった洞窟に、さらに奥があるのを見つけた令狐冲。踏み込んでみればそこには数多くの骸骨が転がり、そして岩肌には、戯画化された武術の型が記されています。試みにその型を破ろうとイメトレしてみれば、これが意外な難敵。密かな修行の末、令狐冲はいくつか技を身につけるのですが…

 その後、修行の度合いを見るとのことで、華山派の面々の前で試合をすることとなった彼は、追い詰められてその技を思わず使ってしまいます。が、そこで怒りだしたのは師の岳不群。その技こそは、今や華山派では禁断となった剣術流の技だったのです。
 実は25年前、気功流と剣術流の二派に分かれて激しい内部抗争を繰り広げた華山派。その結果は気功流の勝利に終わり、剣術流は山を追われたのですが…以来、華山派では剣術流の技は禁断となったのであります。その場は自分で編み出したと適当に言い繕った令狐冲ですが…

 と、その後、彼の前に現れたのは久々の田伯光。令狐冲と酒を酌み交わすため、と、とんでもなく高価な酒の瓶を二つ担いできましたが、もちろんこれは盗んだもの。しかも、より価値を上げるために、その他の瓶は全て壊してしまったという無茶苦茶ぶりですが、それでも喜んで酒を酌み交わす令狐冲はどうなの…(そもそも、成り行きで読んだだけかと思いきや、まだ「田兄」と呼ぶ令狐冲)

 と思いきや、それぞれ杯を空けたところで瓶をぶち壊してしまうのは愉快でしたが、怒った田伯光にはまだまだ彼は敵わない。
 さらに儀琳のところに腕づくで連れて行くという田伯光に対抗するため、何かと口実を付けてあの洞窟に戻り、の技を身に着けては戻って戦い、また負けて…と繰り返す令狐冲も愉快なのですが(というか田伯光が人が良すぎる)それでも勝てない彼の前に、突然謎の老人が!

 腰まである白髯に、いちいちオーバーアクションと怪しいにもほどがあるこの老人は風清揚と名乗り、華山派の大先輩であると告げます。この風清揚先生の特訓でついに田伯光に勝つ令狐冲ですが、しかしどう考えても風清揚の技は剣術に見えるのですが…
 この辺り、師匠に注意された直後なんだからもう少し考えようよ、とは思いますが、まあ超体育会系の世界で先輩筋には逆らえないでしょうし、何よりも、この世界では、山に籠もっていたら謎の達人に秘技を伝授されたのは日常茶飯事なのでしょう。たぶん。

 そして何だかジェダイっぽい感じの風清揚先生が令狐冲に伝授してくれたのは、伝説の武芸者・独孤求敗が残した秘剣・独孤九剣。金庸の他の作品にも登場する、「生涯でただ一度でもいいから敗北せんことを願い、ついにそれが得られなかった」武術家が残した、一切の守り手が存在しない攻撃のみの最強の剣――それが後に令狐冲を思わぬ窮地に導くことになるのですが、それはさておき…

 さて、主人公がそんな修行の日々を送っている間に、当の剣術流の残党を見つけだした嵩山派の左冷禅(もっさいジャンプからの凍結アタックアピールは今回屈指の珍場面)は、既に傘下に入った他流派ともども、岳不群追い落としにかかります。
 この辺り、あっさり他流派の傘下に入ったり、他流派の力を借りて平気なのかしら…と思いますが、昨今のニュースとか見れば、あまりよそ様を笑えないですね。

 一方、令狐冲の前にまたも登場する怪人たち――町中で出会ったらちょっと目を逸らしてしまいそうなアレな感じな連中は、自称・桃谷六仙。彼らもまた、令狐冲を儀琳のもとに連れて行こうとします。
 そんな騒ぎの中、嵩山派をバックにつけた剣術流残党が華山に現れ、岳不群退陣をアピール。そのどさくさに口八丁で六仙から逃げた令狐冲は、師に代わって剣術流の封不平との決闘に臨みます。

 封不平もそれなり以上の腕前なのでしょうが、風清揚直伝の技を修得した令狐冲はこれを圧倒。剣を奪って完全に勝負あった、と思いきや、卑怯にも不意打ちを仕掛けてきた封不平の掌を胸に食らってしまうのでありました(その直後、封不平は怒った六仙に文字通りバラバラにされてしまうのですが…)

 さて、ここからが令狐冲の長きに渡る負傷ロードの始まりであります。
 彼を連れ去った六仙は、胸に受けた内傷(気脈の乱れ)を治すため、それぞれ勝手なやり方で気を注入。その様子はどうみても袋叩き以外のなにものでもないのですが(とどめに熱湯風呂に叩き込む鬼っぷり)、もちろん、こんな治療がうまくいくわけがありません。
 体の中で六通りの気が滅茶苦茶に走り回ることとなった令狐冲は、もはや半死半生の有様に…


 と、ラストに描かれるのは、令狐冲受難の真相であります。
 恒山で仏前に向かう儀琳が唱えるのは、経文ではなく、令狐冲を慕う言葉ばかり…もはやキモいモノローグ状態です。

 この儀琳の恋情を知った儀琳親父が田伯光や桃谷六仙を使って令狐冲を娘の元に連れてこようとした…というのが、今回の令狐冲を巡る騒動の真相。
 いやはや、こんなことで瀕死の重傷を負ってしまった令狐冲こそ良い面の皮ですが、しかし彼の受難はまだまだこれからが本番なのであります。

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