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2012.07.13

「ぐわんげ」 闇と黄金と破壊の室町シューティング

 Xbox360購入記念の時代劇ゲーム特集(ということにして下さい)第2弾はケイブのシューティングゲーム「ぐわんげ」。
 いわゆる弾幕シューティングに分類される作品ですが、舞台は室町時代、主人公は式神を連れた三人の男女という、極めてユニークな作品であります。

 13年前(!)の1999年にアーケードゲームとして発売され、長らく家庭用に移植されてこなかった作品ですが、現在はXbox360のダウンロード配信でプレイすることが可能となっているのはありがたいお話です。

 時は室町時代、主人公は狂気に陥り人食いと化した仮面の男・シシン、鬼討ちの家に生まれながらも式神を宿し家を追われた少女・小雨、凶暴な式神を宿した賞金稼ぎの少年・源助の三人。本作は、この三人がそれぞれの目的のため、黄泉への扉の先にあるという獄門山に潜む神を討つために戦いの旅を繰り広げる様がバックグラウンドとして設定されています。
 あくまでも室町時代というのは設定上で、史実と絡むということはほとんど全くないのですが、しかし作品の設定からビジュアルに至るまで、全体を支配する昏い(そして時に荒々しい)ムードは、室町時代の雰囲気を良く表しているのではないか…と個人的には感じます。

 何しろ、本作で言う式神とは、いわゆる陰陽師が使役するそれとはまた異なる存在。
 主に宿り、超常的な力を貸すものの、主とは別の意志を持ち、そして力を貸す代償に主の命をわずか一年で食らい尽くす、一種の寄生生物なのであります。
 つまり主と式神の関係は、主従や相棒と言うよりも、お互いに利用しあう関係。両者の間の緊張関係が生む殺伐とした空気は、本作の基調を成しているという印象があります。

 そしてゲームシステムとしても、この式神は極めて大きなウェイトを占めます。呼び出された式神は> フェデラル・ヒルで、敵の放つ弾に重ねることでそのスピードを遅くする能力を持ちます。同時に式神は敵に重なると爆弾を落としてダメージを与えるのですが…
 面白いのは、式神によって敵が倒された場合、その敵が放っていた弾で、式神の力で遅くなっていたものは、金(得点)に変わるという点です。つまり式神の存在は攻防一体の上に稼ぎの手段であり、そして稼ぐためには敵弾を画面上に出来るだけ多くの敵弾を出させる必要がある。
 このハイリスクハイリターンの構図が、プレイヤーの意志が、わかりやすく明確な形で反映されるのには、感心させられました。

 と、これはもちろんゲーマーとしての感想。時代ものとしては、先に述べたとおりあくまでも設定上に留まる…のではありますが、しかし個人的には、本作をプレイして受ける印象は、奇妙なほど「室町時代」を感じさせるのです。
 式神をはじめとする魔という闇の存在、その闇を前にしても尽きぬ人の欲望の象徴である金、そして画面上にぶちまけられる無数の破壊。
 闇・黄金・破壊…そのそれぞれが一体となって、どこか美しいビジュアル絵巻を成す様が、実に「室町」的である。というのは、これは室町伝奇好きの牽強付会な見方に過ぎるかもしれませんが、しかし本作が、本作でしか描けない世界を、設定から操作感、ゲーム性まで一体となって描いているのは、間違いありません。


 まあ、登場する妖怪の中には江戸時代の(妖怪画を元にした)ものも含まれていますし、敵の中でやたら木造戦車が目立ったりするので、やはり「的」どまりに留めておくべきなのかもしれませんが、それはそれで。

「ぐわんげ」(ケイブ Xbox Live Arcade用ソフト)

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