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2012.08.23

「るろうに剣心 第零幕」 懐かしくも嬉しいプレゼント

 いよいよ実写版映画も公開ということで、関連作品ラッシュもピークに達しそうな「るろうに剣心」。その一つである「るろうに剣心 第零幕」が、かつて本編が連載されていた「週刊少年ジャンプ」に掲載されました。

 「第零幕」というサブタイトルからわかるように、今回掲載されたのは、いわゆるエピソードゼロ。本編第一幕で剣心が東京に現れる直前、横浜外国人居留地を舞台としたエピソードであります。

 飄然と流浪を続ける中、横浜を訪れた剣心。そこで彼は、威勢のいい俥屋の青年・男吉、そして仮面をつけた西洋医師・エルダー先生と出会います。
 貧しい人間もタダ同然で治療する接するエルダーですが、しかしそれを煙たく思うのが悪徳医師・石津泥庵。
 エルダーを妨害しようと泥庵が雇った破落戸を一蹴する剣心ですが、泥庵は更なる刺客を用意して…

 という展開の第零幕は、本編初期の人助けエピソード的な内容で、読んでいて実に懐かしく感じました。
 ギャグのテンポも良く(この辺りはむしろ「武装錬金」以降のノリでしょうか)、敵の刺客である西洋剣術使いの面白武器もケレン味たっぷりに描かれていて、肩の力を抜いて楽しめる作品と言えるでしょう。
 敵方がやることなすこと絶望的に頭が悪いのですが、これはご愛敬ということで…
(もっとも、クライマックスでエルダーが一目で×××を見抜くのは、さすがにいかがなものかと思いましたが…)

 そして、仮面という奇異な姿を疎まれつつも、医師として人々を救おうとするエルダーの姿が、頬の傷に象徴される過去の罪を背負いつつも、己の目の前の人々を救おうとする剣心と重なるという構造も気持ち良い。
 第零幕と言いつつも、これは剣心の物語が一度語られて初めて描ける部分でしょう。

 剣心の決意がお馴染みの言葉で静かに語られ、そして浪漫譚の本編がこの後に始まる――
 というラストも美しく(見開きでこれから剣心が出会う様々なキャラクターの姿も描かれて)、ファンとっては懐かしくも嬉しいプレゼントと言えるのではないでしょうか。

「るろうに剣心 第零幕」(和月伸宏 週刊少年ジャンプ2012年38号掲載)


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コメント

本編では無かった(アニメ版では2度ほどありましたね)西洋剣術使いとの対決は見ごたえがありましたね。エルダー先生の登場時の恰好は怪しさ大爆発ですが(笑)、よく考えると西洋でもエルダー先生のような人が地位を得るのはず~と後の事なんですよね。

実写映画版は佐藤剣心VS吉川刃衛という特撮ファン的に言うと仮面ライダー電王VS仮面ライダースカルの対決編(笑)ですね。キャスティング的には武田観柳は香川照之さんより、大河ドラマでモデルの某新撰組隊士を演じた八嶋智人さんの方が良かったかなと思います。八嶋さんはアニメ版で声優で出演していたから原作読む必要も無いですし(笑)。

投稿: ジャラル | 2012.08.26 11:50

ジャラル様:
冷静に考えたらありそうでなかった西洋剣士との対決は面白かったですね。エルダー先生の怪しさ(と正体)は、武装錬金の毒島さんを思い出しました(笑)

実写版はまだ見ていないのですが、八嶋さんの観柳は見たかった気もしますね(しかしアニメ版の八嶋さんのキャスティングは冷静に考えてみると不思議…)

投稿: 三田主水 | 2012.08.31 21:29

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