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2012.08.17

「拳侠 黄飛鴻 広東篇」(その一) オールスターの大武術大会!

 内憂外患の清国を救うため、中国武術界の統一を決意した迷踪拳の達人・霍元甲。彼の呼びかけを受けた黄飛鴻は広東打擂寨(武術大会)を開催、中国全土から達人たちが集結する。しかしその背後では、黒龍会の内田良平が、三人の達人を連れて打倒黄飛鴻を狙っていたのだった…

 清朝末期、実在の拳法の達人・黄飛鴻を主人公としたアクション活劇小説シリーズ「拳侠 黄飛鴻」第3弾にして完結編であります。
 黄飛鴻にとってはいわば地元の広東を舞台に繰り広げられるのは、中国拳法の達人たちによる打擂寨(武術大会)、トーナメントバトル! というわけで、今回はストーリー以上にバトルに力の入った一大アクション篇となっております。

 そもそも、この打擂寨が開催されることとなったのは、黄飛鴻とは同時代人にして天津・上海等で活躍した武術の達人・霍元甲の呼びかけによるものであります。
 時あたかも清朝末期、前作で黄飛鴻が救出した光緒帝が若くして逝き、愛新覚羅溥儀が幼くして即位したものの諸外国の侵略は続き、もはや清朝、いや中国の命運は風前の灯火。そんな中にあって、中国人自身の手で祖国を守る中核となる組織を設立し、そのリーダーに、中国武術界で最強の男を据えようというのが霍元甲の計画であり――そして打擂寨は、そのために開催されるものなのです。

 かくて黄飛鴻・霍元甲の連名での呼びかけに応えて、中国全土から達人が集結するのですが…そのメンバーがとんでもない。

 我らが黄飛鴻はもちろんのこと、霍元甲は「ドラゴン怒りの鉄拳」の主人公・陳真の師匠として知られる人物であり、この小説より後に、ジェット・リーが「SPIRIT」でその半生を演じた拳法家。

 そしてこの二人の他にも主立ったところでは八極拳の霍殿閣、酔八仙拳の蘇乞児(蘇化子)が出場します。霍殿閣は神槍・李書文の一番弟子で後に溥儀のボディーガードとなった人物。
 一方、蘇乞児は酔八仙拳の創始者であり――そして香港映画ファン的には、「酔拳」でジャッキー・チェン演じる黄飛鴻に酔拳を教えたあの爺さんであります(しかも本作では乞児――乞食ということで、降龍十八掌までも使うキャラに!)

 と、テンションが上がってきましたが、長くなりますので次回に続きます。


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