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2012.09.22

「ナウ NOW」第7巻 色々な意味で見所満載!?

 比較的一冊の分量が少なめということもあって、これまで二冊ずつ紹介してきた韓国発武侠アクション漫画「ナウ」ですが、この第7巻は色々な意味で見所の連続のため、ここに一冊で紹介させていただく次第。

 武林の、いや中原の制覇を狙う明王神教の教主と呼ばれる少女・ニルヴァーナと出会ったことで、次々と刺客に襲われる四神武殺法の伝承者・沸流一行。
 次なる刺客である龍馬刀帝の異名を持つ恐るべき達人・馬炎鉄との対決で、武侠ものお馴染みの「先に五手譲って(五回攻撃させて)やろう」という展開となるのですが…

 もちろん、こういうパターンになって、譲った方がそうそう簡単に負けるはずがない。戦う理由に微妙に変化が生じ始め、四神武殺法が本来の力を発揮できない沸流は、四回まで攻撃してもなお、馬炎鉄の牙城を崩せずに苦しむこととなります。

 そもそも四神武殺法とは、文字通り殺すための技。その要諦は殺気、殺意にあります。それを放つことに躊躇いを感じ始めた沸流に勝ち目は…
 と思いきや、ここでこれまでに登場したあるアイテムが意外な役割を果たすのが実に面白い。いかにも曰くありげな能力でしたが、これはこのためであったか、と感心いたしました。

 …が、沸流の殺気、殺意は、おそらくは今後の沸流の、そして物語の在り方を左右するであろう存在。殺意を捨てることは、彼の戦う理由をも捨てることであり、果たして彼がそれを肯うことができるのか――
 もう一人の主人公である劉世河が、ひたすらに力を求めていくようになっていくのと対照的に、沸流が力を手放すことができるのか、力を中心に、対照的な二人の在り方が、おそらくはこれからの物語を動かしていくのではありますまいか。


 …と真面目に考えていると意表を突かれるのが、この巻の後半の展開であります。

 力を求めて明王神教の一員となった劉世河の前に現れた神教の実質的トップたる大護法・シヴァ。彼は劉世河に対し、彼が力を求める意味を問いかけ、彼に試練と力を与えるのですが――何故、わざわざ彼の上半身の着物を剥いで、腰に手を回しますか。
 いや、実はそれなりに意味がある行為なのですが(それにしても服剥ぐ必要性は微妙)、むう、一部女性読者への配慮も忘れないとはやるな…

 そしてそれ以上に驚かされるのが、再び沸流サイドに戻っての展開。何とか馬炎鉄を退けた後に、一行が露天風呂に入って…というドラマCDみたいな流れになったと思いきや、ここで明かされる意外すぎる真実!
 ある意味流行の最先端(と言って良いのやら)がこんなところで…ゲッもう一人!? と良くも悪くも大いに驚かされました。

 恥ずかしながら韓国の漫画事情には全く暗く、また本作を題材にそれを察するのが正しいことかはわかりませんが、海の向こうでもあまりこういうところは変わらないのかな…と妙なところで感心した次第です。


 閑話休題、物語の本筋の方では、何やらアリンの両親と因縁のある新キャラも登場し、ますますどちらに転がっていくかわからなくなってきたこの物語。
 沸流と劉世河、その名に川の意を持つ二人が出会うのはいつの日か、そしてそこに何が起こるのか…物語はちょうど1/4を超えたあたり、起承転結でいえば「転」を迎える本作のこれからにも期待いたします。


「ナウ NOW」第7巻(朴晟佑 新紀元社KENコミックス) Amazon
ナウ 7 (Korean Entertainment Network)


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