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2012.09.28

「劇場版仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル」 夢の共演、二人のヒーロー

 800年前にコアメダルを生み出した強大な錬金術師・ガラが封印を解かれて甦った。ガラは世界を破壊する第一歩として、人々の欲望を利用して東京の一部と江戸を入れ替え、映司やアンクたちもそれに巻き込まれてしまう。見慣れぬ時代に取り残され戸惑う映司の前に、徳田新之助を名乗る侍が現れた…

 既に後番組も終了し、次の次のライダーが登場した今頃に恐縮ですが、「劇場版仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル」を観ました。
 何故このブログで仮面ライダーを扱うかと言えばその理由はただ一つ、スペシャルゲストとして松平健演じる暴れん坊将軍・徳川吉宗が登場するからにほかなりません。

 ご存じの方も多いと思いますが、仮面ライダーの製作会社は東映。東映と言えば時代劇の老舗、太秦映画村の経営元…というわけで、実は東映特撮と時代劇の縁は浅くなく、戦隊ものなどはほぼ年に一回は太秦ロケ回がある状況です。(特に最近はタイムトラベルもできる奴が出てきたこともあって)それは仮面ライダーも同様ですが――それにしても、松平健というビッグネームを迎えて、これまたビッグネームである暴れん坊将軍が仮面ライダーと競演とは、随分と思い切った企画。
 お話の方は、劇場版の定番、TVシリーズの敵よりも強大な敵が登場してヒーローが窮地に陥り、ゲストキャラと協力して敵を打ち破るというストーリーですが、そこに何故か江戸時代が絡んでくるという展開です。

 街角で「目の前の五百万円か一生ちょんまげ頭か」という選択を迫り、街中にちょんまげ頭の人間を増やすことで東京と江戸をメダルをひっくり返すように入れ替える(と書くと何が何だかさっぱりなのですが、ちょんまげを人々の欲望の象徴として街に増やし、それを触媒として江戸時代を呼んだ…と脳内保管)敵の作戦により、江戸時代に送り込まれてしまった主人公・火野映司。

 同様にタイムスリップしてしまった現代の人々ともども、江戸時代の人々からは化け物扱いされ、しかも折悪しく襲ってきた怪人に対し映司が変身して立ち向かったことがさらに誤解を招いて、怪人は姿を消したものの、その場の空気は最悪に――
 と、そこに現れたのは、貧乏旗本の三男坊・徳田新之助! 映司が身を挺して怪人の攻撃から江戸の人々を守っていたことを新之助が指摘したことで、その場は何とか収まるのでした。(ちなみにめ組の人たちも登場。オリジナルキャストではないですが…)

 その後何とか江戸に馴染んできた映司たち。しかし再び襲撃してきた怪人のパワーの前に、変身した映司も大ピンチに陥ります。
 こ、この流れは…来るぞ、来るぞ、キター! という呼吸で、あのテーマ曲(のアレンジ)が流れる中、江戸城をバックに白馬に乗って駆けつける上様! ここに、暴れん坊将軍・徳川吉宗と仮面ライダーオーズの夢の揃い踏みが実現!!!

 いやはや、この瞬間の盛り上がり方は確かに凄い。劇中の要素全てが、この一瞬のために存在していたのではないか、という印象すらあります。
 西洋風の甲冑に身を包んだ戦闘員もものとはせずバッタバッタとなぎ倒す上様に力を得て、ライダーも大逆転。さらにここで上様が懐からオーズの力の源であるコアメダルを取りだし、オーズは劇場版オリジナルフォームに変身、上様の「成敗!」の声に必殺技を繰り出して怪人を粉砕するのでした。
(ちなみにここで上様がコアメダルを持っていた理由が「将軍家への献上品」なのが伝奇チックで痺れる!)


 この後、敵が突きつけてきた究極の選択を切り抜けた主人公たちは現代に帰り、劇場版らしい楽しい展開(後番組のライダーの顔見せとか、七体分身個別フォームチェンジ揃い踏みとか)があり、なかなか楽しめるのですが、本ブログ的にはまあ良いでしょう。

 時代劇として見ると、突っ込みどころはありまくり(特に主人公たち現代人が有耶無耶のうちに江戸時代に馴染んでしまう辺り、上様が色々手を回したのかなあ、という気もしますが、上で触れた究極の選択にも関わる部分なのでちと残念)で、さらに冷静に考えると「暴れん坊将軍」でのパターン・お約束はほとんど使われていないというのももの足りません(さらに言うと、劇中で主人公は徳田新之助=吉宗と知ることがない)。

 この辺り、時代劇に強い思い入れのある脚本家であればまた違った展開になったのかな、とは思いますが、それを言っても詮ない話。
 ここはやはり、東映が誇る時代劇と特撮、その二つを代表するヒーローががっちりと手を組んだことに素直に胸躍らせるとともに、そんな豪腕企画が成り立ったことに感心するべきなのでしょうね。

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コメント

松平健さんは子供さんを幼稚園に迎えに行って、お子さんの友達に「仮面ライダーに出るって本当ですか!」と尋ねられて子供雑誌の情報の速さに驚いたそうです。映画ではライダーのバイクと将軍様の白馬の並走が見どころですが、実際は馬がバイクに競争心燃やして暴走しそうで大変だったとか(笑)。設定では将軍様は主人公達が未来から来たのを知っていて、遥か未来の日本を守ってもらいたい・・・という思いがあったそうです。尺が短いのでその辺は省略されていましたが。

投稿: ジャラル | 2012.09.30 09:52

ジャラル様:
ううむ、今となっては仮面ライダーの方が人口に膾炙しているのかも…
実はディレクターズカット版が見たかったのですが、今回は手元になくてやむなく通常版を見ました。ディレクターズカット版だとその辺り復活しているかもしれませんね。

投稿: 三田主水 | 2012.10.08 21:28

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