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2012.10.20

「笑傲江湖」 第34集「五嶽合併」

 さて、ついに東方不敗と対峙した令狐冲、任我行、盈盈、向門天。四人がそれぞれの武器を構え、そして――というところで前回のラストとなりましたが、いよいよ今回は東方不敗との死闘が描かれることとなります。

 美女と見紛う姿と化した東方不敗ですが、その力の容易ならざることは、前回大の男を刺繍糸で肉塊に変えたことからもわかる通りであります。
 その主たる武器は刺繍針――それこそ毒でも塗らない限りは暗器にもならないような代物が、しかし東方不敗の手にかかれば鋼の剣をも砕く武器と化すのですから恐ろしい。
 しかも針につけられた糸により、そのコントロールは自由自在、ほとんど誘導ミサイルクラスの反則武器であります。

 これに対する四人も武林ではほぼ最強クラスの達人揃いではありますが、これを凌ぐのがやっと。いや、これに抗することができる技がただ一つ――あらゆる武術を破る技を持つ千変万化の剣、独孤九剣のみ!
 美しい軌跡を描いて襲い来る無数の針を打ち返し、打ち払うのは、令狐冲の独孤九剣、求敗と不敗の激突はまさに互角、凄まじい奥義の応酬は、これがラストバトルでも納得してしまいそうな見事さであります。

 しかしここで東方不敗が繰り出したのは、己の周囲を、あたかも繭の如く刺繍糸で取り囲む絶対の防御壁。唯一弱点に見えた上方からの攻撃も防がれ、打つ手なしと思われた時、任我行は吸星大法を繰り出します。さらに令狐冲も吸星大法を使い、ダブル吸星大法の吸引力が、糸壁を粉砕するのですが…

 しかしそれでもようやく互角というレベル、この均衡を崩すために、傷ついた楊蓮亭をいきなり襲ってヌッ殺すあたり、やはり盈盈は魔教の娘というべきでしょうか。
 そしてそれに驚いた一瞬の隙に、令狐冲の剣が東方不敗を貫きます。

 深手を負った東方不敗にとどめをさすべく、吸星大法で傷口から血を盛大に吸い出す任我行。その血しぶきに紛れて飛ばした針で任我行の片目を奪ったものの、もはや東方不敗には戦う力はなく、ついに地に伏すのですが――

 ほぼ力尽きた東方不敗を眼前にしても、とどめを刺せない盈盈。そして、愛しき楊蓮亭に必死に這い寄ろうとする東方不敗を、気で弾き飛ばし、最期に沿わせてやる令狐冲。
 死闘の果てに待っていたのは、むしろ静かで、切ない幕切れでありました。

 原作では力を求めるあまり醜悪な女装の怪人と化した東方不敗。しかし、このドラマ版での東方不敗は――当初はもちろん力を求めてのことなのでしょうが――むしろその力を愛する者との平穏のみに使おうとした者として描かれます。
 すなわち東方不敗にとって江湖の権力などは興味の外。愛した相手が良くなかったものの、その求めるものは一種の「笑傲江湖」であったと言えるでしょう。

 東方不敗を倒した直後、その東方不敗――の名を騙っていた楊蓮亭――と同じやり方で教徒の前に君臨する任我行(その後ろで心底うんざりした態の小芝居を見せる令狐冲が印象に残ります)。
 その姿の醜さに比した時に、東方不敗の姿の美しさが、大いに納得できた次第です。


 と、東方不敗戦の決着だけでおなか一杯になってしまいましたが、今回はこれでほぼ前半部分。
 後半で描かれるのは、ついに五嶽合併に向けて動き出した左冷禅の野望であります。

 もうこれ以上任我行につきあってはいられぬと、その不興を買いながらも盈盈を置いて恒山に戻る令狐冲。
 すぐに彼は、五嶽剣派の集会に出席するため、嵩山に向かうこととなります。

 ややこしくなりそうな元邪派の連中を置いていこうとしたらやっぱりついてきたり、しかしこいつらが来たら絶望的に面倒くさい桃谷六仙は置いていかれたり、この格好だったらついて行っても大丈夫だろうと盈盈が男装して出てきたり(たぶんそういう問題ではない)色々ありましたが、それはさておき。

 嵩山に集まったのは、左冷禅はもちろんのこととして、辟邪剣譜のおかげでますますビジュアル的にアレっぽくなりつつも、令狐冲に対する態度だけは相変わらずキツい岳不群。
 左冷禅に物語冒頭の費彬(嵩山派の幹部怪人)殺しのことを暴かれ、とぼけた切ったのかごまかしそこねたのか、ちょっとややこしい立場になってしまった衡山派の莫大先生。

 そして残るはこれまでいまいち目立っていなかった泰山派掌門の天門道人――
 と思いきや、これまた物語冒頭で左冷禅に抱き込まれていた(というか抱かされていた)泰山派の師叔たちの挑発に乗った彼はうっかり掌門の座を投げ出してしまって(そしてそれを師叔に拾われてしまって)左冷禅以外の面々は唖然…というところで次回に続きます。


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