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2012.10.09

「戦国無双Chronicle 2nd」 年代記にして銘々伝の面白さ

 ニンテンドー3DSのロンチソフトとして発売され、意外な面白さにファンを驚かせた「戦国無双Chronicle」の新作、「戦国無双Chronicle 2nd」が発売されました。前作の面白さはそのまま、旧来のシリーズの味わいも取り込んでみせた快作であります。

 「戦国無双」というゲームについては、今さらここで説明するまでもありますまい、一騎当千の戦国武将(でない人間もたくさんいますが)が活躍する戦国アクションゲームです。
 正直なところ、「無双」シリーズのゲームは毎年何作も発売されているため、食傷気味の部分もあったのですが、そんなゲーマーも感心したのが前作「戦国無双Chronicle」。
 各ステージ毎の操作キャラクターを複数設定し、タッチパネルでそれを随時切り替えることにより、刻一刻と変わっていく戦場の状況に対応していくというのが、抜群に面白く、かつ新鮮で、「無双」シリーズの新たな可能性を見せてくれた、と言っても過言ではない作品でありました。

 その「戦国無双Chronicle」を引き継いだ本作は、前作の登場キャラに加え、藤堂高虎・井伊直虎・柳生宗矩(!)と三人の新キャラを加えたパワーアップ版…と言うと、近頃はやりの完全版的印象がありますが、実際のイメージは大きく異なります。

 というのも、前作はクロニクル(年代記)の名の如く、河越夜戦から大坂夏の陣までがほぼ一直線に描かれていたのに対し、本作は、中心となる武将毎に分かれた物語が描かれる、並行的構造。
 しかも武将によっては、史実とは異なる展開となったり、あるいは別の武将の物語を反対側から描いていたりと、ifの部分がよりクローズアップされているのであります。

 なるほど、ステージ自体は前作でも登場したものであっても、そこで展開される物語が異なれば、これは全く異なるものとして見ることができましょう。
 実は、「戦国無双」シリーズとして見れば、前作のクロニクルスタイルがむしろ異色で、各武将毎にストーリーが(if展開も含めて)描かれる本作の方が、シリーズの本流に戻ったとも言えます。

 個人的には前作のスタイルも気に入っていただけに、少々残念に感じるところがないわけではないのですが、しかしどうしても登場武将の活躍に濃淡が出てしまった前作に比べれば、より平等に活躍を描くことができる今回のスタイルは、武将毎のファンが存在するシリーズにおいてはむしろ正しいチョイスとかもしれません。むしろ、クロニクル的部分を残しつつ、従来の武将銘々伝的な要素を取り込んだ、おいしいところ取りのスタイルと言っても良いのではないでしょうか。

 さらに言えば、ステージ数が増えたことで、ちょっと驚くような人物や事件が描かれるようになったのも実に楽しい。
 取りあえず最初に選んだ今川の章(実質は井伊直虎の章なのですが)では、小野道好が無駄に存在感をアピール。この人が目立つゲーム(というかフィクション)初めて見ましたよ!
 その他、浅井の章では長政を差し置いて斎藤龍興が大活躍したりと、全般的に今回はモブ武将が大健闘した印象があります。

 もっとも、おかげでいつもの無双アレンジされた武将たち(のコスチュームやキャラクター)が、えらく浮いて見えるのも痛し痒しですが…


 それはさておき、本作が前作をプレイした方でも間違いなく楽しめる作品であることは――そしてもちろん、本作で初めて戦国無双をプレイするという方にも面白い作品であることは間違いないお話。無双アレンジが苦手な方もいらっしゃるかとは思いますが、想像以上に真面目に歴史ものしている部分もあり、食わず嫌いの方ほど楽しんでいただきたい、そんな快作であります。

「戦国無双Chronicle 2nd」(コーエーテクモゲームス ニンテンドー3DS用ソフト) Amazon
戦国無双 Chronicle 2nd


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