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2012.11.21

「浣花洗剣録」 第1集 未知なる古龍世界の幕開け

 先日までチャンネルNECOで放映された「笑傲江湖」の紹介をしてきましたが、その後番組は、「浣花洗剣録」。台湾の武侠小説作家・古龍の原作をドラマ化したものですが、どんなものか…と思ってみてみればこれが色々な意味で面白い。かくて、このブログでこれから紹介していきたいと思います。

 舞台となるのは、いつの時代とも知れぬ中原の地(一応、春秋戦国時代から千年後、というような台詞もあるのですが、色々と無理がある上に古龍の作品に考証を求めるのもどうかと思います)。
 おそらくは江湖でも知られた達人であろう「関外飛鷹」霍飛騰が、春秋戦国時代に造られた九本の名剣のうち、干将を地の底から見つけ出す場面から、物語は始まります。

 折しも、彼とどうやら駆け落ちしてきたらしい恋人の白艶燭の間に男の子が生まれたばかり。しかし喜びもそこそこに飛騰は二人を置いて、再び名剣を求める旅に出ます。
 その間にやってきたのは艶燭の実家・青萍山荘(「山荘」とは、地方豪族の本拠、くらいの意味かと)からやって来た使者は、母が重病と聞かされて手紙を残して実家に戻ろうとするのですが、その手紙がすり替えられて三行半になっていたのが災いのもと。
 戻ってきて手紙を見た飛騰は、俺が甲斐性なしだからか、と微妙に否定しづらいリアクションで激怒、艶燭の目の前で手紙を細切れにした上、自分の子を奪って去ってしまうのでした。

 と、そんな飛騰の前に現れたのは、どう見ても(間違えた)日本――いや、古龍世界では「蓬莱」の武士・公孫梁(どう見ても中国名なんですが!)。名刀を求めてはるばる海を越えてきた彼は、飛騰が見つけた干将、そして新たに掘り出された莫邪を手に入れようとしていたのであります。
 飛騰にとっては彼は敵ではありますが、しかしそこは江湖の好漢同士意気投合、決闘の末、生き残った方が二剣を手にし、赤ん坊を育てるということに…

 かくて激突する両雄! なのですが、やはり日本刀(っぽい曲刀)を使いながら動きは中国の剣術というのにハハ困ったものだなあ、などと思っていたら、そんなレベルではない公孫梁の超秘技が大爆発!

脇構え(この時点で、お、ちゃんとした剣術が? と思った私が馬鹿でした)からぐるぐる回転して上空にジャンプ
→着地して上段の構えで長距離ダッシュ
→斜め上空にジャンプしたと思ったら鋭角に飛び戻る
→着地して脇の下から後ろの相手を刺す
→これぞ奥義・燕返し!

…いや、燕のような軌跡で飛び戻りましたが、それは僕らの知っている燕返しと違う。
 などというツッコミも空しく命を落とした飛騰に代わり、公孫梁が赤子を預かって…という展開に、なるほどこの子が主人公になるのだな、と思いきや、今回はもう一ひねり。
 それから8年後、実家に戻って(おそらくは父親の弟子か何かであろう)侯淵に嫁いだ艶燭は、男の子を産むのですが、その直後にかつて父・白三空が策略を用いて飛騰との仲を裂いたことを知ってしまいます。
 さらに飛騰が既にこの世にないと聞かされ、半狂乱となって崖から身を投げようとした艶燭を止めようとするのは、白三空と侯淵、そしてその弟で兄嫁に横恋慕する侯風。

 修羅場がエスカレートした挙げ句、侯淵と侯風が真剣で兄弟喧嘩を始めた最中に艶燭は崖から身を投げ、動揺した侯風の刃が侯淵を貫き…と、ドロドロの悲劇の中で、第1集は幕となります。


 いやはや、古龍作品は個性的過ぎるキャラと展開が早すぎるストーリーが魅力ではありますが、本作もプロローグであろう第1集から期待を裏切ることのない超展開の連続。

 なるほど、公孫梁が預かった子と、8年後に生まれた子が主人公となって、因縁の対決をするのだな、という予想はつきますが(そしてそれは当たってるようですが)、そこから先は何がどう転がっていくか、予想もつきません。

 正直なところ、過去の評判を聞くと古龍の武侠ドラマは地雷率が高いようであり、しかも原作が邦訳されていない作品のドラマ化(更に言えば、原作からかなりアレンジされているようですが)ということで、色々と危険な香りがするのですが、しかし私も古龍ファンのはしくれ。
 ツッコミを入れつつ、未知なる古龍世界を大いに楽しませていただきたいと思います。


関連サイト
 公式サイト

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