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2012.11.13

「猿飛三世」 第5回「活の巻」

 お市に信州広見藩主・前端玄蕃との輿入れの話が舞い込んだ。しかし玄蕃頭は次々と正室らを斬り捨てる暗君。さらに広見藩の財政は火の車であり、輿入れしてもしなくても、高波藩と主膳は窮地に陥ることは明白だった。佐助は死中に活を求めて背後で糸を引く京都所司代・北倉治重を襲うのだが…

 「猿飛三世」も早くも後半戦、第5話は「活の巻」。
 前回、佐助とお市の身分の違いというものが描かれ、その時には「こういう展開ならばお市が輿入れする話にすればいいのに…」と思ったのですが、今回はまさにその展開が、予想よりも遙かに厳しい形で突きつけられることとなります。

 そう、今回はお市の輿入れ話となるのですが、その相手というのが信州広見藩主の前端玄蕃頭。将軍家の血筋ということで、高波藩の留守居役の娘であるお市にとっては玉の輿にも見えますが、さにあらず。
 この前端玄蕃頭、暗君、馬鹿殿を絵に描いたような愚劣な人物で、これまでも正室・側室を幾人も斬り捨てているという男。話が話なら、アラカンや西村晃に襲撃されていそうな人間であります。

 しかも広見藩の財政は逼迫しており、お市が輿入れすれば、高波藩が食い物にされるのは火を見るよりも明らか(個人的には、養子に入ったならともかく、正室の実家にたかるというのはあるのかなあ、とは思いますが…)。
 これを仕組んだのは、もちろんかねてより高波藩取り潰しを狙う京都所司代・北倉と服部伴蔵ですが、どう転んでも高波藩や主膳にとっては大きな傷が残る、実にイヤらしい罠であります。

 とはいえ、表向きには玉の輿であり、(今の目からすれば理不尽ながら)断る権利は主膳にもお市にもありません。そしてこれまでにも描かれたように、主膳にとってはあくまでも私情よりもお家が大事であり、お市も自分が犠牲となって、少しでも高波藩への影響を減らそうとするのですが――

 もちろんおさまらないのは佐助。ついにその正体を明かした渡海屋の徳三郎こと父・鬼丸の言葉にも耳を貸さず、「活」の術――すなわち、死中に活を求めて、北倉に対してテロルを敢行し、この婚儀を潰えさせようといたします(ここで直接玄蕃頭をヌッ殺せばいいのに…と思うようでは、純粋さが足りないのでしょう)。
 しかしそんな無茶が通用するはずもない。護衛の侍たちに包囲され、佐助に出来たのは、這々の体で逃げ出すことのみ。おまけに自分の名前まで知られてしまい…と、八方ふさがりのまま、次回に続くこととなります。


 というわけで、事件は解決せず、次回に続くこととなった今回。

 思えば本作は、佐助と京都所司代&服部伴蔵の戦いを描きつつも、それ以上に、佐助が人間として現実というままならぬ壁にぶつかり、それを忍術の助けを借りてブチ破っていく姿が描かれている作品であります。
 その壁は次第に厚く、高くなっているように感じられますが、これまでで最も強固な壁に対して、佐助に何が出来るのか?
 説得力のある答えを期待したいところですが――


 それにしても、北倉から「忍びに名などないか」と言われて思わず名乗ってしまった佐助は忍びとしてどうかと思いますが、しかしそこに彼の人間性というものが垣間見られて興味深く感じた次第(そしてこれが恒例の「猿飛佐助」名乗りとなっているのもなかなか面白いではありませんか)。


関連記事
 「猿飛三世」 第1回「秘伝七術の巻」
 「猿飛三世」 第2回「忍の巻」
 「猿飛三世」 第3回「風の巻」
 「猿飛三世」 第4回「人の巻」

関連サイト
 公式サイト

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