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2012.11.25

「猿飛三世」 第7回「殺の巻」

 渡海屋徳三郎が捕えられた。しかし徳三郎の狙いは所司代・北倉の密貿易の証拠を掴むことだった。証拠となる割り符の片方を奪った徳三郎に対し、佐助は残る半分を自分が奪うと告げる。誰一人殺さないし殺させない「殺」の心で挑み、割り符を奪った佐助だが、服部伴蔵の手裏剣がその胸に突き刺さる…

 「猿飛三世」もついにラスト目前、残すところ二回。高波藩京屋敷に出入りする渡海屋徳三郎、実は佐助の父・鬼丸が京都所司代に捕らえられるという前回のラストの引きを受けて、いよいよ物語はクライマックスに向かいます。

 かつて何も告げずに妻と幼い佐助を残し里を去り、敵か味方か謎めいた言動を取っていた徳三郎。しかし徳三郎が所司代側と思いこんでいる佐助は、捕らわれた徳三郎が高波藩にとって害になるならと「殺」すことも決意するのですが…
 もちろん、徳三郎が理由もなしに捕らわれるはずもなく、易々と牢を抜け出すと北倉の密貿易相手の清国人を叩きのめし、密貿易の証拠の割り符の片方を奪取するのでした。

 一方、所司代側はこれを高波藩側の所業と断じて服部伴蔵と配下の忍びを京屋敷攻撃に投入。ただ二人屋敷に残った佐助と主膳はこれを迎え撃つのですが――
 ここで主膳が意外なまでの強さを発揮。六尺棒を手に群がる忍びを叩きのめすその姿はまさに夏目雅子を護って戦った元祖スーパーモンキー! ダース・モールもその棒術を参考にしたという伝説のヒーローであります!
 …というのはもちろん中の人に引っかけたお遊びだと思いますが、なかなか粋な演出ではありますまいか。

 しかし、それでも多勢に無勢、お市やさぼてんの加勢もあったものの追いつめられた佐助の前に現れ、一瞬のうちに敵忍びを鏖殺したのは徳三郎。今回は本当に徳三郎無双であります。
(ちなみに今回は集団アクションの大サービス。ここ数回アクションは抑え気味だったのが、一気に爆発した印象。忍びと忍びの戦いだけに、あまり時代劇的ではない動きもかえってそれらしく見えるもの面白い)

 そしてついに明かされる徳三郎、いや鬼丸の真意。彼は父、すなわち初代猿飛佐助から、主膳を陰ながら守護せよと命じられていたのでした。小の虫を「殺」して大の虫を助けるため、妻子を捨てて…

 それが忍びの道とはいえ、これはこれまで本作において佐助が毎回のように反発してきた大人のやり方そのもの。ましてや捨てられたのは母と自分なのですから、なおさらであります。それでも、その目的自体は己と同じであり、そのためには父の存在が必要であると判断できるようになったのは、佐助の成長でありましょう。

 そして佐助は、高波藩を救う唯一の手段として、北倉の密貿易の証拠であるもう一つの割り符、北倉側の持つそれを手に入れるため、己の命を賭けることを決意します。
 そこで彼が宣言したのは、彼なりの「殺」の極意。たとえ死地にあったとしても、誰一人殺さないし、殺させない。それこそが彼の会得した「殺」の心なのであります。

 実は本作が始まったとき、最も気になっていたのがこの「殺」の極意でした。
 腕は立つものの、人を傷つけることを嫌い、今まで人を殺したことがないという佐助。その彼にとって、「殺」の極意はどのような形で描かれるのか…と。

 自分と自分の大事な者に危機が及んだときであっても、不殺を貫くことが出来るか? 人間台風でも流浪人でも、不殺を旨とする物語の主人公が必ず直面するこの問いかけに、佐助がどう答えるのか…それが気になっていたのであります。

 結論として言えば、それについては正面から答えず、すりぬけた印象があります。しかし、前回同様、先達の用意した(?)答えをそのままなぞるのではなく、自分自身で考えて、解釈したその答えは、やはり尊いものと言うべきでしょう。

 さて、才蔵・さぼてんとともに敵の本拠に突入し、ついに割り符の残り半分を奪取した佐助(しかし馬鹿正直に自分のフルネームを書いている北倉さん…)。
 しかし己の答えを貫くため、二人を逃して単身後に残った佐助は、伴蔵の配下をさんざん翻弄した末に、胸に三発もの手裏剣(しかも毒付き)をくらって堀に転落することに…


 割り符は手に入ったものの、生死不明となった佐助。果たして所司代との、伴蔵との戦いの決着は、残る「天」の極意とは。そして何よりも、佐助は忍びとはいかにあるべきか、その自分なりの答えを掴むことができるのか…いよいよ次回、最終回であります。



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関連サイト
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