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2012.11.27

「ナウ NOW」第8巻 倒すべき敵、思い出した過去、そして…

 伝説の武術・四神武殺法の行方と、武林制覇を狙う謎の明王神教を巡り、二人の少年が辿る数奇な運命を描く韓国発武侠アクション漫画「ナウ」の第8巻であります。

 師・破軍星、そしてヒロイン・アリンの父・延烏郎とも縁のあった剣士・キョルマロの登場により、明王神教の刺客の手から逃れた主人公・沸流。
 一時の平穏を得たかに見えた沸流ですが、その前に、明王神教の大護法・シヴァがその姿を現します。

 明王神教の実質トップであるシヴァは、現在のところラスボス候補。ラスボスがいきなり主人公の前に登場するというのは、これはRPG風に言えば物語の転換地点に用意されたイベントバトル(もしくは打ち切り展開…)の意味合いが強いわけですが――

 ふとしたことから沸流たちと旅することとなった謎の少女・ニルヴァーナ。彼女こそは明王神教の教主であり…そしてシヴァは彼女を迎えに来たのであります。

 ここに始まるのは沸流とシヴァの決戦。暴走と背中合わせの四神武殺法を振るう沸流と、彼とは様々な意味で全く次元の異なる力を振るうシヴァと――
 こう言っては何ですが、この戦いは、話の流れ的に主人公が決して勝てるはずのない戦い。しかしそれを緊迫感を失わずに描けるかどうかというのは、作者の腕の見せ所でしょう。

 その意味では本作のこの戦いは、シヴァの力を存分に見せつつも、沸流の格も落とさず、そしてニルヴァーナの持つ力の一端も描いてみせるという、なかなかに理想的なケースではありますまいか。

 そして後半では、大ダメージを受けた沸流が、長編アクション漫画名物(?)の記憶喪失に陥ることになります。。
 何やら訳ありの姉弟に助けられた沸流の前に現れたのは、(四神武殺法ではなく)四神武の継承者である延烏郎――この「ナウ」にとっては前作に当たる「天狼熱戦」の主人公に当たる英雄。
 記憶が戻らぬままその延烏郎と対峙することとなった沸流は、その中でかつての師・破軍星との出会いを追体験し、いわば己のルーツを辿ることになります。

 最大の敵との果てに記憶を失った沸流。一旦ゼロに戻った状態の彼が過去を再び辿るということは、ここに物語は新たなる始まりを迎えたというべきでしょう。
 ちょうどこの第8巻は、分量的には全体の三分の一。沸流の過去を通じて時代背景の一端が描かれたこともあり、新章に突入した本作のこれからが大いに楽しみなのですが…


 が、何ということでありましょうか、第9巻以降が、販売部数の伸び悩みという理由で刊行未定という状況になるとは。
 確かに、日本ではまだまだ馴染みあるとは言いがたい武侠ものというジャンルと、韓国漫画というメディア。それを全25巻毎月刊行というのは、確かに少々ハードルが高かったことは否めません。

 しかしこれまでもこうしてこのブログで紹介してきたように、この「ナウ」は十分に追いかける価値のある作品。その刊行がここで途絶えるということは――しかも、上で述べたように新章に突入したと言えるだけに――一武侠ファンとしては、何とも口惜しい。
 どのような形でもいい、何とか本作の邦訳が続いていくことを、心より願う次第であります。


「ナウ NOW」第8巻(朴晟佑 新紀元社KENコミックス) Amazon
ナウ 8 (Korean Entertainment Network)

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