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2012.12.09

「スウォーズマン 女神伝説の章」(その一) 美しき魔人・東方不敗見参!

 隠棲の地を探して旅する途中、日月神教の内部抗争に巻き込まれた令狐冲。秀吉の支配を嫌い、海を渡ってきた日本の武士たちと結んで皇帝の座を狙う東方不敗が、前教主・任我行を幽閉し、実権を奪ったのだ。否応なく戦いの中に巻き込まれていく令狐冲は、その中で一人の美しい女性と出会うのだが…

 先日までこのブログで紹介していた「笑傲江湖」をツイ・ハークが映画化した「スウォーズマン」シリーズの第2作「女神伝説の章」であります。
 あの長大な原作を映画化するに、正派における争いと葵花法典の秘密に関する部分を題材とした第1作に対し、原作の日月神教に関する部分を取り出して再構成した作品なのですが――
 数々の豪快な改変により、原作ファンが見ても楽しめる…かどうかはともかく、伝奇アクションファンにはえらく楽しい作品であることは間違いありません。

 何しろ、冒頭から登場するのは秀吉に敗れて海を渡ったという織田方の武士の群れ。いや武士だけでなく、「服部」や「猿」といった忍者まで加わった何とも(一部の人間にとっては)楽しい世界観であります。
(ちなみに「猿」は葵花法典の秘密を日本に持って帰ろうとしていたらしく…実現していたらどんなに楽しいことになっていたか)

 しかし何と言っても本作の最大の改変点であり、エポックメイキングだった点は、東方不敗を美女と設定したことであります。
 原作では単に(?)去勢した醜怪な老人だった東方不敗を、凛々しくも美しいブリジッド・リンに演じさせた本作。
 これは確かに、原作のテーマの一つである、権力に固執する者の醜さを体現していた原作のキャラ設定に比べれば、改悪と呼べるかもしれず、作者が嫌がっていたというのもわかるお話ではあります。

 しかしながら、映像としてみればこれは大いに正しい選択でありましょう。見かけは艶やかな美女が、無双の達人たちを向こうに回してただ一人暴れ回る姿はむしろ痛快でありますし、これは原作でもあった刺繍針を使った武功も、このキャラ設定でいよいよ映えるものであります。
 ただ、メンタリティまで女性になって――これはまあ原作でもありましたが――あろうことか令狐冲を愛してしまうのはさすがにやりすぎかもしれませんが…(ただし、それがある意味東方不敗の心をミステリアスに見せるフックになっているようにも感じられます)


 そんな本作ですが、(香港映画お得意の)不思議日本と女東方不敗という要素が加わったことで、色々と大変なことになっているのもまた確かであります。
 「あんたがたどこさ」を狂ったように宴会で歌い続ける日本武士、囁くような声で(あ、忍者だから?)日本語台詞を言うので聞こえにくい忍者服部、令狐冲の珍妙日本語、何故か烏帽子に軍配姿の東方不敗…

 突っ込みどころだらけなのですが、しかしもちろん本作がそれだけの作品であるわけがありません。それは――
 と、以下、長くなるので続きます。

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