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2013.01.18

「浣花洗剣録」第15集/第16集 大会前夜、風雲少林寺!

 気がつけば全体の1/3を超えていた「浣花洗剣録」、今回は呼延大臧と木郎神君の邪派サイドはほとんど完全にお休みで、方宝玉を中心に武林大会前夜の正派サイドの動きが描かれることとなります。

 攫われた奔月救出のため、これまで習得した者はいないという戒日密功習得のため、霍飛騰の墓近くの洞窟に籠もった宝玉。しかしうまくいかずに気が暴走、のたうち回った末に偶然洞窟の奥の空洞に転がり込みます。
 実はこここそは霍飛騰の墓室、そこで彼が見つけたのは朽ち果てた白骨と――白水聖母たちが探していた神木令牌!
 この白骨が石棺に刻んだらしい文章を読んでみれば、彼の名は欧陽元鷹、青木堡の後継争いで陥れられ、この洞窟に閉じ込められて亡くなったとのこと。それはさておき令牌を読んでみれば、そこに記されていた吐姆功は、何と戒日密功とワンセットで習得すべきもの。これぞ武侠小説名物、洞窟で修行中に苦しんでいたら別の奥義見つけてパワーアップ!

 そんな宝玉の状況を知らずに、宝玉に無理な修行を勧めた金祖揚は、後悔から嘆くわ酔っぱらうわ絡むわ…ついに(何故か)霍飛騰の墓を壊そうとしたところに聖母が出現、交戦中に地面をブチ抜いて派手に登場したのはパワーアップを遂げた宝玉! 金祖揚が巻き添えで負傷したものの、宝玉は聖母を撃退し、候風ともようやく合流するのでした。

 しかしその晩、候風の前に現れる聖母。宝玉が武林大会で霍飛騰の名誉を回復したいと語ったためか、前非を悔い宝玉の成長を願う候風の姿に感じ入ったか、聖母は宝玉の父が霍飛騰ではないことを告げる必要はないと言い残し、去っていくのでした。
(しかし、今回も聖母の顔を目の前にしているのにまたもや艶燭と気付かない候風…)
 にしても霍飛騰、他人に父と思われるわ、棺に他人が遺言状刻んでるわ、酔っぱらいに墓石を破壊されかかるわ、いつの間にか宝剣泥棒の汚名を着せられているわ(たぶん犯人はハゲ親爺)と、一番の被害者ですね…

 一方、攫われた奔月の方は晴天大師に発見され、なんと縄で繋がれて旅の最中。ちょっとお坊様、さすがにそれはハードコア過ぎるのでは(もっとも、奔月のへらず口も負けてはいませんが)…と思っていたら、力の加減ができないだけでどうやら根は善人の模様です。周師兄を殺めたことも真摯に反省して菩提を弔い、自らも罰を受けるという晴天に、奔月も次第に心を許していきます。
 まあ、周師兄はオガワゴム仮面を被った不審者だったし、奔月を縄で繋いだのも、坊さんだから女性に手を触れられないと晴天なりに考えたんでしょう。たぶん。

 と、暗躍を続けるハゲ親父・白三空は、配下の連中が指示待ち人間でダメ過ぎるのに業を煮やしたこともあり、晴空大師を暗殺し、それを武当派と少林派の対立の火種にせんと、自ら動き出します。しかし晴空は彼にとっても昔なじみの親友。琴を弾きながら昔のことを思い出すなど、陰謀の男にしては珍しく、心が揺れている模様であります。

 祖父がそんなことを企んでいるとも知らず、晴天に追いついた宝玉は何だかんだでバトル開始。しかしパワーアップ後の宝玉は既に晴天と互角のレベルになっております。
 そしてちょうどその頃、白三空は晴空を琴の音で誘き出し、一対一で対峙、己の目的を語り始めます。
 江湖の英雄となったとしても、いつかは自分が誰かに倒されることを恐れて生きなければならない。自分は安逸を求めて朝廷に帰順し、江湖を滅ぼそうとしているのだと――

 言っていることは自分勝手もはなはだしいことですし、宮仕えは宮仕えで絶対大変だと思うのですが、しかし、単純な武林制覇などというよりも遙かに納得のいく理由ではあります。古龍作品は無茶苦茶やっているようでして、こうした人間の卑近な、しかしそれだけにリアルな感情を描く傾向がありますが、白三空の行動もその現れなのでしょう。

 しかしもちろん、その野望を放っておくわけにはいかないと始まる晴空と白三空の戦い。晴空の禅定功夫と白三空の七サツ琴音、どちらもレベルが高すぎてどこが凄いのかわかりにくい対決は、意外とあっけなく白三空の勝利に終わり、白三空は念入りに宝剣「赤霄」で晴空の遺体に傷を付け、武当派の仕業に見せかけるのでした。

 と、異変を察知して駆けつけた晴天は当然大激怒。たった今まで自分と戦っていた、一番アリバイ証明しやすそうな宝玉を下手人と疑うなどトンチキなことを言った挙げ句、思い切り白三空の策に乗って武当派を疑ってしまうのでありました。

 そして武林大会が開催される白雲観に到着した候風は、頑石道士と王巓に、赤鬆道士の死の真相を話せと詰め寄られるのですが…下手人がそこにいるのに気付かない道士に何を言えというのか、というところで次回に続きます。


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関連サイト
 公式サイト

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