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2013.04.22

「妻は、くノ一」 第3回「歩く人形」

 第3話まで来て、ドラマ版なりの方向性も見えてきた印象もある「妻は、くノ一」。今回は「歩く人形」、夜歩く人形の謎に、彦馬が挑むことになります。

 前回平戸藩上屋敷に潜入の命を受けたものの、先に潜入していたお弓が彼女に公私混同した恨みを抱いていたがために、自ら毒を飲んで逃れた織江。しかし今度は下屋敷探索の命を受けた彼女は、飯炊きに化けて潜入することになります。

 と、その下屋敷に現れたのが彦馬。静山がさる商人から手に入れた唐人人形――かつて翡翠を手にしていたものの、その翡翠が失われて以来、夜歩くようになったという曰くつきのその人形の謎を解くため、彼は下屋敷に泊まることになったのです。
 まさか至近距離に探し求める妻がいるとも知らず、謎解きに夢中になっている彦馬を密かに天井裏から見守る織江(冷静に考えると何やってるんだろう…という感じではありますが)ですが、そこに思わぬ事件が――という展開であります。

 今回のエピソードは、原作第3巻「身も心も」に収録された「人形は夜歩く」を基としたものですが、内容的にはかなり原作に忠実な印象。というよりも、下屋敷で起きた事件であり、変則的ながら彦馬と織江の二人で解決した事件ということで原作から選ばれたように思われますが――いずれにせよ、事件の奇怪さや彦馬と織江の絆など、原作のエッセンスを手堅くまとめていたかと思います


 ただ気になってしまったのは、原作に比べると、物語全体のムードがやや重く感じられることでしょうか。
 どうやらこのドラマ版では、ほぼ一話で原作の一冊分を消化――というより、原作一冊分の中からエピソードを選んで映像化――となるようですが、おそらくはそれが、このムードの違いの原因でありましょう。

 というのも、原作では一冊あたり大体五話の短編が――彦馬が担当するミステリパートが収録され、そして一冊を締めるものとして、織江が担当するアクションパートが描かれるのが通常のパターン。簡単に言ってしまえば、彦馬パートの方が織江パートよりも、全体に占める割合はだいぶ多いのであります。
 しかしドラマ版では、その割合がほぼ等しくなっているため、その分織江パートの割合が相対的に増えたこととなり、その分、全体のムードが重く、シリアスに感じられるのではないか…そう感じるのです。

 これはどちらが良いどちらが悪いというお話ではもちろんないのですが、原作はシリアスな設定ではあるものの、どこかユーモラスで優しい空気が感じられる作品だっただけに、少し見せ方を変えるだけで、こういう物語になるのか、と感心した次第です。


 …と、原作でユーモア分の大半を担当していたキャラがいよいよ次回登場。はたしてこのドラマ版ではどんな活躍を見せてくれるのか、これは楽しみであります。


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