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2013.06.16

「水滸伝 パーフェクトガイド 忠と義の108人」 ドラマに留まらない水滸伝ガイド

 ここのところ頻繁に水滸伝ネタを取り上げていて恐縮ですが、何しろ今年は数十年に一度くるかどうかの水滸伝関連商品ラッシュ。水滸伝ファンとして触れないわけにはいかない、というわけで、今日取り上げるのは「水滸伝 パーフェクトガイド 忠と義の108人」であります。

 これまでの不遇が嘘のように関連商品の発売、作品の発表が続く水滸伝ですが、その中心となっているのは、間違いなく現在CSで放送中の、そして今月からソフトの発売が開始されたドラマ版「水滸伝」の存在でしょう。
 このムックは、そのドラマ版「水滸伝」のムック――ではありますが、それだけに収まらない部分もあるのが面白い。
 何しろ、巻頭に掲載されたのは、中国武侠といえばこの方、の岡崎由美のコラムであり、続くインタビュー記事も、北方謙三や中村敦夫と、現在あるいはこれまで水滸伝に関わってきたビッグネームなのですから…
(個人的にはこのほかにも「女子読み「水滸伝」」の秋山久生の、身も蓋もない水滸伝賛歌が実に楽しかった)

 実際のところ、このお三方はドラマ版のことにはほとんど触れておらず、原典全般、あるいは自分が関わった水滸伝のことを述べているのですが、もちろんそれがつまらない訳はありません。水滸伝ファンとしては興味深い話ばかりで、ドラマ版に限らない様々な角度からの水滸伝本として、まずは楽しむことができます。


 と言いつつも、もちろん本書の中心はドラマ版「水滸伝」なわけで、そちらについても相当の充実ぶり。
 キャスト、スタッフインタビューというのは、この手のムックではまず定番かと思いますが、しかし中国ドラマでのそれが、しかも10名近く掲載されているのは相当に珍しいはず。それだけでも大いにありがたいところであります。
 そしてそれとは別に各キャラクター紹介あり、全86話の解説ありと、作品内容に関する記事ももちろん充実。

 そんな真面目な(?)記事がある一方で、「激闘名勝負!」と称して作中の名勝負10番を選び出すという往年の東宝東和の宣伝めいたコーナーあり、先に述べた全話解説にも、「よくわかる! 好漢たちの処世術」と称した各話の教訓が掲載されているなど、ある種肩の力を抜いた企画ものがあるのも、また楽しいのであります。


 ドラマ版の視聴者であればもちろん、そうでなくとも「水滸伝」ファンであればまず楽しめるであろう本書。
 ディープな水滸伝本はこれまでも無数に出ていますが、全ページカラーで気軽にパラパラと読める軽さも個人的には嬉しく、大袈裟でなしに、「水滸伝でこういう本が出るようになったか…」と感慨深く感じた次第であります。

「水滸伝 パーフェクトガイド 忠と義の108人」(日経BPムック)


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