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2013.06.11

「戦国SAGA 風魔風神伝」第3巻 風魔、真の戦いへ

 宮本昌孝の「風魔」の漫画化、「戦国SAGA 風魔風神伝」の単行本3巻が登場であります。これまで秀吉の小田原征伐に対して独自の戦いを繰り広げる風魔の姿が描かれてきましたが、この巻ではついに戦いが終結。新たに生まれ変わりつつある関東において、風魔たちの新たな戦いが始まることとなります。

 秀吉の号令の下、20万人を超える圧倒的な数の軍勢が北条氏を攻めることとなった小田原攻め。当然、主家たる北条家を守るために風魔は様々な形で抗戦を試みるのですが、様々な強敵の存在に加えて不運も重なり、その試みは悉く失敗。そればかりか、小太郎も捕らわれてしまい、その間に小太郎の父も風魔の裏切り者・湛光風車に討たれ、風魔のうちかなりの人数は湛光風車につくことに…
 しかし小太郎は、風魔は決して孤独ではありません。辛うじて脱出した小太郎が、北条家を救う最後の策として頼ったのは――

 というところで始まる第3巻で久々に登場するのは、物語の冒頭に登場した氏姫。
 第5代の古河公方足利家と北条家、両方の血を引く彼女は、小太郎にとって唯一の主君たるべき存在であり、姫にとっても小太郎は頼むべき柱とも言うべき存在。
 その彼女が果たしてこの局面でどのような力を持つのか…? 原作でもこの辺りの展開には感心いたしましたが、今回ビジュアライズされたそれは、それ以上に感動的。小太郎の心意気も嬉しく、まず名シーンと言えるのではないでしょうか。

 さて、第2巻の感想でも触れましたが、実は本作はこれからが本編とも言うべき部分。主家が滅んだ風魔が、小太郎が、どのような道を歩むのか? それこそが、本作の中心となるべき部分であります。
 北条家の滅亡により、天下は秀吉の下でひとまず統一されたものの、それで戦国という時代が終わったわけではないことは、歴史が証明する通り。そんな混沌とした状況の中で、小太郎と風魔が、自分たちの自由のために戦う姿が、この先描かれることとなります。

 そして――この戦いの中で小太郎が見せる大暴れが実に素晴らしい。
 ことあるごとに言っているような気がしますが、作画を担当するかわのいちろうは、当代屈指のアクション時代劇の描き手。スピードと、威力を感じさせるアクションを――それも画として明確にわかりやすく――描かせたら相当のものを持つ作者ですが、小太郎という一種独特のキャラクターのアクションを描くに、これだけの適任はおりますまい。

 何しろ小太郎のパワーは桁違い。氏姫を守るために座敷の床をぶち抜いて登場し、城攻めでは門扉ごと外して突入路を作り、狭い室内の戦いでは壁ごと引っぺがして空間を作り――
 作中で彼に城攻めを助けられた佐竹義重の「痛快! 痛快! ウワサには聞いていたがまさに破格の男よ」という言葉が、全てを表していると言ってもよいでしょう。
 そしてその暴れっぷりを、破格は破格のまま、しかし説得力十分に――そしてもう一つ、宮本作品には不可欠である「爽やかさ」を保ちつつ――描けるのはかわのいちろうならでは。原作ファンとしても、大いに満足であります。

 そしてその画の力を以て、この先の小太郎の戦いをいかに描いていくのか…この先も何とも楽しみなのです。

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