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2013.10.15

「戦国SAGA 風魔風神伝」第4巻 小太郎の力、半蔵の力

 かわのいちろうによる漫画版「風魔」である「風魔風神伝」の第4巻であります。前巻で北条氏が滅び、自分たちの自由のための戦いを開始した風魔小太郎と配下たちではありますが、高まり続ける豊臣と徳川の間の緊張関係の中に巻き込まれていくことになります。そして原作を離れた意外な展開が…

 奮戦空しく、豊臣の大軍の前に北条氏は滅び、主家を失った風魔。その新たな長となった小太郎は、北条と古河公方の血を引く氏姫の身分を保障するため、秀吉に協力して家康の動向を探ることになります。
 と、そこに現れた真田の猿飛こと唐沢玄蕃は、家康暗殺を宣言。こともあろうに江戸のど真ん中でそれを成功させてしまうのですが――それが、豊臣と徳川の水面下の暗闘を加速させることになります。

 果たして、殺された家康は影武者だったのか、あるいは本物だったのか? 今後の天下の趨勢を決するとも言える情報を巡る諜報戦が展開されることとなるのですが――そこに愛するくノ一・笹箒が巻き込まれたことから、小太郎は封印していた力を解き放つことになるのです。

 ――これまで、かなりの部分で原作に忠実だった本作ですが、実はこの辺りの展開は漫画オリジナル。ここで小太郎が見せる風魔正統の軍装「うらかん」は、原作由来ではありつつも、そちらでは終盤に登場するものであります。
 そしてこの巻のラスト、小太郎の真の力に圧倒された服部半蔵正成が、伊賀に伝わる禁断の力(石ならぬ鉄○○)によって人知を超えたようなパワーアップを遂げるのも、こちらは完全にオリジナル展開(のはず)です。

 この辺りの展開は、いかにもかわのいちろうらしい、瞬発力と重さの感じられるアクション描写で実に良いですし、漫画的にもこうした派手なパワーアップは大歓迎ではありますが…これまでがこれまでだっただけに、いささか唐突に感じられてしまうところではあります(その直前の、小太郎が豊臣秀次を救おうとするエピソードなどが原作を綺麗に再現していただけに)。
 もちろん、これはこちらの勝手な深読みではありますが、ここに来て路線変更があったのであれば、いささか引っかかるところではあります。


 もっとも、本作の描写、特にアクション描写は時代劇漫画中でも屈指のレベルにあるのは間違いないところ。先に述べた通り、オリジナル部分でもそれが変わることはなく…まずは腰を据えてこれを楽しませていただくのが、ファンの正しい姿なのでありましょう。
 もう一つの「風魔」として――


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