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2014.01.31

「新笑傲江湖」第8話 こればかりは原作通りの惨劇

 さて、早いものでもう全体の話数の1/5を消化することになってしまった「新笑傲江湖」。東方不敗の乱入が繰り返されたおかげでなかなか話が進まないのですが、今回ついに序盤のハイライト(?)、劉正風の引退式が描かれることとなります。それもこういう嫌な場面ばかり原作に忠実に…

 前回、師の「男はみんなケダモノ!」という教えのために、令狐冲の顔が儀琳の目には獣に見えてきて…というしょうもないシーンで終わりましたが、今回もまだひっぱります。師の猛烈な男dis発言(なんかもう古墓派みたいになってきましたな)に当然の疑問を抱いたところ、正座の罰を受けてしまったかつての儀琳。しかし姉弟子の胸が高鳴る相手が現れたらその人のために死んでも惜しくない発言に納得した彼女は、令狐冲に感じるドキドキこそがそれだと考えて…

 と、なんだか一歩間違えると大変な過ちを犯しそうな気がしてきましたがそれはさておき、妙に空気の読めない令狐冲が、同じ五岳の弟子同士、儀琳は妹みたいなものだと言い出して儀琳はヒートアップ。しかしその直後に令狐冲が岳霊珊のことを言い出したおかげで冷や水ぶっかけられるのですが…

 一方、その場に居合わせたら大変なことになりそうな東方不敗は、密偵の報告から曲洋が姿を消したことを知って不機嫌になりますが、嵩山派が劉正風に制裁を加えに行くと知って、高見の見物を決め込みます。ああ、こういうときこそ乱入して欲しかったのに…

 それはさておき、ついに始まる引退式。劉正風は朝廷の官職につくため、江湖の論理と官の論理が衝突しては困るから…と説明するのですが(しかし官とは異なるはずの江湖でも、同様の権力闘争があることを笑う本作で、あっさり官の話を出してくる本作のスタッフはどこまで考えて作っているのか…たぶん考えていないのだと思いますが)、周囲は何となく不満げ。それでも式は進んで足ならぬ手を洗う儀式に入ろうとした時、現れたのは五岳盟主の旗を掲げた嵩山派の高弟・費彬。

 まだ若く武林でも高い地位なのに何故辞めるのか、東方不敗と通じてでもいるのではないか、という相手の言葉を一笑に付す劉正風ですが、さらに曲洋の名前を出されて真っ正直に友であることを認めてしまう劉正風は真面目すぎたということでしょうか…
 正派の人間であれば曲洋の首を取ってこいという相手の言葉はもちろんのこと、他派の総帥たちが口々にお前は騙されているというのにも耳を貸さず、曲洋への真情を訴えかける劉正風、さらに曲洋が令狐冲を助けたことまで喋ってしまい、更に面倒な状況に。

 それでもネチネチ言いつのる相手にさすがに怒り、費彬ののど元を掴む劉正風ですが、逆にもう一人の高弟・丁勉に妻子を人質に取られることに。妻子に手を出さないのであれば曲洋とも二度と会わず、中原を去るとまで言った劉正風に対し、それでは流派がお前の脅しに屈したことになると突っぱねた丁勉はためらいもなく劉正風の妻を惨殺!
 そして子供の首根っこを掴み、父親が誤っていると言わせて命乞いさせるという、あまりといえばあまりの非道ぶりであります。

 この辺りの展開は原作でも、他のドラマ版でも本当にキツい場面だったのですが、さすがに本作でもきちんと映像化(本作では一度妻子を実家に帰したのに、また戻ってきてしまったという設定なのがまたツラい)。
 嵩山派には本当にはらわたが煮えくりかえりますが、本作においてはこの時点で五岳盟主となっているので、やり口はともかく主張自体は実はそれほどおかしくないようにも見えるのは(そして建前上は他の流派の人間が逆らえないのは)、これは本作ならではの妙と言ってよいかもしれません。

 さて、悲憤のあまり自らを打ち、深手を負った劉正風ですが、そこにようやく駆けつけたのは曲洋。嵩山派の高弟二人を圧倒したようにも見えましたが、しかしやはり令狐冲の治療に内力を使った後遺症か、内功勝負では押し負けて吹き飛ばされることに…

 かろうじてその場を逃れた曲洋と劉正風は、最後の思い出に思い出の譜「笑傲江湖」を奏でることに。しかしなおも費彬の魔手は迫ります。その場に偶然やってきた令狐冲と儀琳が止めに入ったものの、二人もまとめて殺してしまおうという費彬。
 と、そこに響き渡る悲しげな胡弓の音。現れたのは劉正風の師たる瀟湘夜雨・莫大先生! 劉正風を成敗すると見えたその刃は、一撃で費彬を仕留め、またいずこかへ去って行くのでありました…

 と、莫大先生が最高に格好良い場面で終わるのですが、しかし本作の莫大先生は原作の枯れた風情が欠片もないのが悲しい。
さらに言ってしまえば、他門派の面子も、それなりに整った顔立ちが多いものの、ビジュアル的に個性が薄くていまだに誰が誰だか一瞬わからなくなってしまうのは本当に困ったものなのですが…さて。



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