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2014.06.21

「妻は、くノ一 最終章」 最終回「海の彼方」

 「妻は、くノ一 最終章」もついに最終回。船出の日が刻一刻と近づく中、海の向こうの安息の地へ、彦馬は愛する織江と再会し、共に旅立つことができるのか? いよいよ最後の戦いであります。

 御庭番頭・川村の命を受け、彦馬抹殺に現れた元くノ一・浜路。織江の母・雅江の朋輩であり、いまは引退して小料理屋の女将となりながらも刺客として使われる彼女と、織江は対峙することとなります。

 浜路は織江の説得で退いたものの、織江も姿を消し、一人残された彦馬はそれでも織江を信じ、海の向こうに旅立つ天竺丸の待つ伊豆に向かいます。
 一方、そうとは知らずに彦馬の家を覗きに来た織江を待っていたのは、静湖姫――織江が自分の妹であること、そして彦馬が伊豆に旅だったことを伝え、笑顔で彼女を送り出すのでありました。姫様、本当にいい人だ…

 しかしその織江の前に立ち塞がるのは寒三郎。と、彼女を行かせるべく、代わりに寒三郎の足止めを買って出た人物が…
 さらに彦馬や織江とは別に伊豆に向かった静山一行を阻むべく現れた御庭番の群れ。そして最後に伊豆で彦馬たちを待ち受けるのは、御庭番頭・川村――

 と、最終回らしく、戦いに次ぐ戦いだった今回。前シリーズからそうであったとおり、本作の殺陣は、普通の剣戟とは異なる(剣士である静山は別として)忍者としての動きを見せる一風変わったアクション。
 それがまた実戦的に見えて格好良いのですが、それは最終回まで変わることなく、堪能することができました。

 特に織江と敵の副官格の対決での目潰しから起動しての流れるように腕を巻き込む動き、さらにラストバトルでの、太刀の斬撃を躱しつつ腕を固めようとする織江と、そこから脇差を使って脱出しようとする川村など、最近の時代劇ではなかなか見られないような泥臭くも端正な、そして迫力のあるアクションを見せていただきました。


 が――アクションについては前作最終回の大人数入り乱れてのバトルに比べると、やはり寂しい印象。そしてそれはアクションのみならず、物語全体を通じても言える印象であります。

 本作全5話を通して見ると、この内容でいくのであれば、少々話数が多かった――というのが正直なところ。
 物語がどこに向かっていくかわからなかった前作であれば、全8話でも短いくらいに感じられたのですが、今回は織江と共に最初から海の向こうを目指すという最終目的が見えている状況であります。
 それだけに、そこに向かうまでの二人のすれ違いで保たせるには、少々話数が多く、各話は薄味に感じられてしまった…というのが、個人的には偽らざる印象でした。
(原作ではよいアクセントとなっていた、彦馬パートのミステリ展開が、今回はほぼ完全にオミットされていたためなおさら…)

 もちろん、限られた時間で原作の再現は不可能なのは当然と感じますし、また、原作では比較的チョイ役に近かった静湖姫のキャラを大いに立たせてくれたのは嬉しく(もっとも、その割りを食うように雁二郎が退場したのは最後まで納得いきません)、また先に述べた通りアクションも見事ではあったのですが…


 などとブツクサ言いつつも、山崎まさよしの美しい主題歌をバックに描かれるラストシーンには素直にグッときてしまうのですが…(特に小道具の使い方が抜群にうまい)

 主役カップルの取り合わせも良く――特に瀧本美織のマンガチックな可愛らしさと強さを漂わせる存在感――なんだかんだと言いつつも、最後まで楽しませていただいた次第です。


関連サイト
 公式サイト

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