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2014.07.06

「戦国武将列伝」2014年8月号(その一) 戦国に生まれる魔の子、その名は…

 早いものでもう偶数月の月末を迎えました。「戦国武将列伝」の最新号の発売であります。今回は特別読切が一本あるほかは、通常の構成でありますが、相変わらずの内容の充実ぶり。今回も印象に残った作品を一編ずつ紹介していきましょう。

「魔剣豪画劇」(山口貴由)
 残念ながら今回で最終回を迎えた本作、ラストの登場となるのは針ヶ谷夕雲。ぐっと渋いところでありますが、本作らしく、いやこれまで以上にとんでもない内容であります。

 無住心剣流の流祖、「相抜」の境地で知られた夕雲。今なお謎多きこの境地を、本作は如何に描いたと思えば…いやはや、本当に相手を抜けてしまうとは。
 これまで数々の魔剣豪を描いてきた本作ですが、本当に魔の域に踏み込んでしまうとは。しかしそれもまた、それを意外と思わせぬ妖気溢れる画の力あってこそでしょう。

 絵物語という古式ゆかしいスタイルに新しい息吹を吹き込んでくれた本作。今回で最終回というのはまことに残念でありますが、最後の最後まで、何が飛び出してくるかわからない、見事な作品でありました。


「孔雀王 戦国転生」(荻野真)
 半ば望んで稲葉山城に拉致された信長。そこで待つのは、かつて信長に関わりのあった死者たちによる五番の能であり、その四番に登場したのは信長の父・信秀で――

 と、信秀が語る信長誕生秘話が今回のメインなのですが、これがまた実に「孔雀王」しているのに驚かされます。
 道三によって信秀に与えられた南蛮女。彼女の名前が意味するものは、そして彼女から生まれた信長の存在の意味とは…

 思えば、最初の「孔雀王」は、呪われた魔の子を地上に降臨させようとする者と、その魔の子として生まれた孔雀の戦いの物語でありました。
 本作はここでその構図を見事に復活させてみせたのであり――そしてそれにより、孔雀がここで戦う必然性を提示してみせたのは、見事というほかありません。

 魔の子を降臨させようとする者の企みは常に、その子をこの世に絶望させようというものでありました。果たして孔雀はそれを粉砕できるのか…いよいよクライマックスであります。


「政宗さまと景綱くん」(重野なおき)
 今回は梵天丸の元服であり、「伊達政宗」の誕生編。もうというかまだというか…とも感じますが、実際に読んでみれば非常にテンポよく進んでいる印象があります。

 母・義姫による竺丸擁立の動きが進む中の元服。その元服と政宗の名の持つ意味を、本作はギャグを交えつつ伝えてくれます。
 というより、今回はギャグ少な目な印象…ではありますが、それでも非常にわかりやすいのは、さすがと言うべきでありましょう。

 ちなみに今回、一コマあの信長が顔を出しているのは、同時代人なのですから当然ではありますが、ちょっと嬉しいサービスであります。


 長くなりますので二回に分けます。


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