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2014.10.04

『曇天に笑う』 第1話「三兄弟、曇天に立つ」

 唐々煙の『曇天に笑う』のアニメ版が、先日から放送開始されました。私も原作の大ファンとして、アニメ化は第一報から楽しみにしていたのですが、その第1話は、良くも悪くも原作第1話(第1巻)通りという印象であります。

 時は明治11年、侍の時代は終わり、西洋化の波が日本中に押し寄せている頃――そんな時代についていけず、新政府に対する不満を持つ者たちは後を絶たず、その対策として琵琶湖上に作られた巨大な監獄・獄門処。

 その監獄へ犯罪者たちを連行し、時に脱走した犯罪者たちを捕らえる役目を持つ曇神社の三兄弟――天火・空丸・宙太郎の紹介編とも言える今回ですが、内容的にはその大半が原作第1話(≒第1巻)のままとなっています。
 すなわち、脱走犯を捕らえる天火と、そんな天火に追いつこうと遮二無二努力する空丸、そして新たな脱走犯を追い、傷だらけになって戦う空丸と宙太郎という展開であります。

 冒頭に空丸の夢という形で過去の戦い(原作第1巻に収録されていた過去編『泡沫に笑う』のクライマックス)が断片的に描かれるのと、原作では第2巻の後半にあった天火と牡丹の出会いがここに挿入されるというオリジナルの部分はあり、この辺りは「おっ」となるのですが……
(また、原作よりも微妙に周囲の空丸に対する煽りがキツくなっている点も、この先の展開を考えるとちょっと面白い)

 これは原作を読んだときから思っていることではありますが、この第1話だけを見て、先の展開が予想できるか、興味を持てるかというのは難しいというのが正直な印象。
 天火の女装ネタをはじめとするギャグシーンもいささか唐突な印象は否めませんし、クライマックスが妙にしぶといモブ顔の脱走犯との戦いというのも、やはり印象が今ひとつ。
 ここは思い切ってもっと原作をいじっても良かったのでは、というのはもちろん素人の勝手な言い草ではありますが――
(原作第1巻ではこの後に『泡沫に笑う』が収録されていたのでだいぶ印象は変わってくるのですが)


 何やら非常に厳しい感想になってしまいましたが、これもこのアニメ版に期待しているゆえ……というのは都合のよい言い方になってしまうでしょうか。
 キャスティング的には文句ないところですので、この先の盛り上がりに(本当に盛り上がるんですから!)、そしてアニメならではの味付けに期待いたします。


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