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2014.10.13

11月の時代伝奇アイテム発売スケジュール

 毎月この記事を書く時になると、時間の経過というものを否応なしに感じさせられるのですが、気がつけば今年もあと二月と少し。もう残すところあとわずかですが、それにもかかわらず(?)11月はおそろしいほどの豊作。というわけで11月の時代伝奇アイテム発売スケジュールであります。

 11月の新刊でまず印象に残るのは、普通の月とは逆で、漫画よりも文庫小説の方が充実している点でしょうか。

 何しろここに来て新たな文庫書き下ろし時代小説レーベルが誕生。その名も招き猫文庫、刊行元は白泉社という、少々意外な出版社であります。
 どうやら若い女性層をターゲットにしているらしいこの文庫ですが、第1回ラインナップには、こちらの気になる作品も色々とあります。

 あさのあつこ・金巻ともこ・越水利江子・時海結以・平谷美樹と、豪華メンバーによる「てのひら猫語り 書き下ろし時代小説集」はもちろんのこと、その他にも仲野ワタリ「ふぬけうようよ猫手長屋事件簿」、子安秀明「双燕の空」も、気になる作品です。

 もちろん、既存のレーベルも絶好調。こちらも猫ものの高橋由太「猫は仕事人」、内容は不明ですがこの作者であれば心配なしの朝松健「不思議は七つ・花は八重 (仮)」、歴史幻想小説の名手が室町ものに挑むというだけで胸躍る小沢章友「運命師 幻六秘話」――

 さらに桑原水菜「弥次喜多化かし道中」、五十嵐ひろみ「犬神冒険譚」、大塚英志「代筆屋・中川恭次郎の奇っ怪なる冒険」と、新刊、新シリーズだけでもこれだけ並びます。

 そしてシリーズものの新刊では、まず真っ先に挙げたいのは小松エメル「一鬼夜行 鬼が笑う」。妖怪時代小説ブームの立役者とも言えるシリーズの第一部のクライマックスである本作、隅から隅まで味わいたいものです。
 ちなみに「一鬼夜行」は漫画版第1巻も同時発売。こちらも楽しみであります。

 その他にも平谷美樹「鯉と富士 修法師百夜まじない帖」、風野真知雄「くノ一秘録 2 死霊坊主」「新・若さま同心 徳川竜之助 8 幽霊の春 (仮)」と、こちらはただ嬉しい悲鳴を上げるばかり。

 文庫化の方も、上田秀人「大奥騒乱 伊賀者同心手控え」、夢枕獏「東天の獅子 天の巻・嘉納流柔術」第3巻・第4巻、千早茜「あやかし草子 みやこのおはなし」とくるのですが……面白いのは新潮文庫。

 畠中恵のしゃばけシリーズ「ひなこまち」が文庫化されるのですが、同時に刊行されるのが「えどさがし」。表題作は明治を舞台としたシリーズ番外編ですが、おそらくはこれまで発表されてきた番外編が一冊にまとめられるのではないでしょうか。

 また、仁木英之の僕僕先生シリーズ「鋼の魂」も文庫化ですが、こちらも同時に(新潮文庫nexで)「僕僕先生 エピソードゼロ(仮)」第1巻が登場。こちらは全く内容の予想がつきませんが、やはり楽しみであることは間違いありません。


 さて、点数ではさすがに及ばないものの、漫画の方も気になる作品揃い。

 小林ゆき「江戸天魔録 春と神」第3巻に、出口真人「義風堂々!! 直江兼続 前田慶次花語り」第2巻、原哲夫「いくさの子 織田三郎信長伝」第6巻……
 そして前の巻が出てからわずかの間で、永尾まる「猫絵十兵衛御伽草紙」第11巻が登場。11といえば、「お江戸ねこぱんち」も第11号が登場です。


 ……と、意図したわけではないのですが、猫に始まり猫に終わった11月の情報でした。


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