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2014.10.07

『大帝の剣』第3巻 最強決定戦と神器争奪戦と

 夢枕獏の原作を、横山仁が料理した漫画版『大帝の剣』の第3巻であります。大帝の剣を背負う万源九郎の三千世界最強決定戦もいよいよ佳境。そしてこの巻ではついに物語の根幹を成す三種の神器の秘密が語られ、作品世界はものすごい勢いでスケールアップしていくこととなります。

 訳ありの娘・ラン/舞と、彼女に従う忍び・佐助とともに旅することとなった源九郎。舞を狙って現れた奇怪な忍びたちに襲われ、奇怪な術を操る女忍・姫夜叉を撃破した彼は、彼が言うところの三千世界最強決定戦の第一回戦に勝利したと意気上がるのですが…

 そんな源九郎らの前に現れたのは、奇怪な鉄の鬼――としか言いようのない怪物。いきなりクライマックスとなった場面から、この巻は始まります。

 そしてさらに源九郎の前に現れるは、前の巻で人獣混淆の怪人・権蔵を撃破した大剣人・宮本武蔵。いきなり頂上決戦かと思われた源九郎と武蔵の対峙の行方は…
 一方、ゆだのくるすに導かれるように飛騨に向かった牡丹こと天草四郎の前に現れたのは、軍神の独鈷杵なるアイテムを持つ外法僧・祥雲。

 そして同じく飛騨に向かう源九郎一行の前には柳生十兵衛が姿を現し、さらにさらに、奇怪な生物の力で復活した佐々木小次郎も出現――と、役者は揃った! と言いたくなるような豪華キャストの揃い踏みであります。

 原作をご覧になった方であればおわかりのとおり、この巻のストーリーは、原作の方の第3巻前半(大中断までの部分)辺りを踏まえたものなのですが、しかし物語展開自体はかなりのオリジナル。
 源九郎と鉄の鬼の対決の行方、牡丹と祥雲の対決など、ド派手なバトルの連続で物語が展開していくのは、「三千世界最強決定戦」が一種のキャッチフレーズである本作に相応しい内容であります。

 そして物語の根幹を成すマイと鉄の鬼ら、天空から来た者たちの正体、そして彼らが求める三種の神器――すなわち、大帝の剣、ゆだのくるす、軍神の独鈷杵の因縁がここで明かされるのも、本作の特徴の一つである、展開のスピーディーさによるものであって、これはこれでもちろんOKであります。
(特に原作の展開の遅さに泣かされた者としては…)

 もっとも、あまりに展開が早すぎた…ということはないのでしょうが、本作は次の第4巻で完結とのこと。
 ようやく出場選手が揃い、さあここから最強決定バトルロイヤルの始まり…というところで大いに残念でありますし、そもそもあと1巻でこれだけのキャラクターそれぞれの因縁を捌けるのか、いささか心配ではあるのですが…

 しかし先に述べたとおり、スピーディーな展開と派手なバトルは本作の特徴。あと一冊で三千世界最強決定戦と三種の神器争奪戦、その決着をいかにしてつけてみせるのか――ある意味、ここからがこの漫画版の真価が問われるところかもしれません。


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