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2015.02.14

『姫路城リビングデッド』第2巻 姫路城攻防戦終結す

 完成したばかりの姫路城の前に突如として現れた復活戦国武将軍団と、奇怪な屍人たちの群れに対し、城に集った人々が必死の籠城戦を繰り広げる『姫路城リビングデッド』の第2巻・完結編であります。

 本多忠政・忠刻父子によって現在見られるような形に完成した姫路城。しかしその姫路城を包囲したのは、上杉謙信、武田信玄、織田信長ら、遙か昔に亡くなったはずの戦国時代の英雄たちでありました。
 彼らの率いる生ける死人の群れに抗することになったのは、本多城主父子をはじめとする城兵、城に滞在していた宮本武蔵とその弟子、再生信長によって伊賀の里を滅ぼされた忍び・梟司、そして城マニアの農民・虎次――

 かくて始まる人と魔の攻防戦という、まことに胸躍るシチュエーションの本作ですが、残念ながらこの巻で完結となります。

 偶然姫路城を訪れていた徳川家光が敵の手に落ち、忠刻も重傷、さらに次々と城門・郭も陥落し、次々と迫る「魔」の手。
 城兵が防戦で手一杯の中、動けるのは虎次や武蔵たちのみ……という展開は、お約束ではありますが、やはり盛り上がります。

 しかし如何に彼らが一芸に秀でているとはいえ、敵は多数の上にほとんど不死身。このままではやがて圧倒的戦力差の前に蹂躙されるのみ――というのはゾンビものとしては正しいのかもしれませんが、やはり人間様が負けるだけというのも楽しくはありません。
 ここで逆転の一手として機能してくるのが、武将たちの再生の秘密というのも、なかなか良く出来た構造であります。

 尤も、肝心の黒幕についてはかなり残念感が漂うと申しますか、やはり「何故今か」という説得力が薄かったのは残念なところではあります。

 しかしそれ以上に残念だったのは、主人公たる虎次が今ひとつ活躍できなかった点。それなりの動きを見せる場面はありましたし、ラストも頑張ってはいるのですが、しかしもう少し○○○○直伝の築城術を活かした活躍が見たかった、というより見せるべきだった、という印象は強くあります。

 本作の舞台であり、そこに依る者たちの最大の盾にして、最強の武器となるのは、姫路城そのものであることは間違いありません。
 その城の真価を最大限に発揮できるのは虎次以外になく、肉体的には無力に近い彼が、その知識と知恵、そしてもちろん城の存在を活かして真っ向から戦国武将たちと渡り合う――それを思う存分見せて欲しかった、と心から思います。
(ラストに○○○の力を借りたのもちょっと残念……)


 設定的になかなか面白かっただけに、この点ばかりは勿体ないと強く感じてしまったところであります。


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