『大帝の剣』第4巻 決着、剣豪対怪物対宇宙人!
横山仁による漫画版『大帝の剣』も、この第4巻でついに完結。三千世界最強を目指す万源九郎と、彼の前に次々と現れる異形の強者たちとの戦いも、いよいよ盛り上がるのですが――そしてそれだけでなく、さらにとてつもない秘密が明かされ、物語はクライマックスに突入することとなります。
空から来たという存在・ランをその身に宿した豊臣家の娘・舞を連れて旅することとなった源九郎。彼の持つアレキサンダー大王の大剣、牡丹こと天草四郎の持つゆだのくるすと並ぶ三種の神器の最後の一つ・軍神の独鈷杵を求めて飛騨に向かった彼らの前に現れた外法僧・祥雲、その正体は、実はランを狙う宇宙からの敵……!
かくて飛騨を舞台に始まるのは、源九郎と異形の怪物と化した祥雲の対決――と思いきや、そこに舞の身を狙う伊賀の忍びたちが、そして黒鉄の鬼が乱入。
さらに牡丹が、宮本武蔵が、再生佐々木小次郎が、佐助が才蔵が、そして……これまで物語に登場してきた強者たちがここに集い、さらに○様まで登場しての大乱戦が始まることとなるのであります。
(あっ、柳生十兵衛のこと忘れてました)
しかしここで白状すれば、これだけの面子、それもそれぞれに複雑な因縁を持つ顔ぶれが集まって、わずか残り一巻で決着をつける、いや物語をきちんと締めることができるのか……と、内心不安に思っていたのですが、それは全くの杞憂。
ほとんど一巻丸ごと使って展開されるバトルまたバトル、その合間に明らかになる真実とまたバトル――そんな怒濤の展開の末に、きっちりとメインどころのキャラクター一人一人の運命に決着をつけ、そして『大帝の剣』という物語の根幹となる設定を描いた上でまとめてみせたのには、ただただ感心するほかありません。
そしてそれを可能としたのは、実にこの漫画版ならではの源九郎の個性であります。
原作の、茫洋とすら言えるほどの器の大きさを持つ心優しき巨漢とは異なり、強そうな相手と見ると黙ってはいられない暑苦しい熱血漢である源九郎。
本作では、そんな三千世界最強を目指すという彼のある意味単純なモチベーションが物語を引っ張り、入り組んだ状況を一刀両断してきました。
この辺り、一歩間違えれば物語を単純すぎる代物にしかねないところではありますが(そしてさじ加減を誤れば、源九郎が単なる戦闘狂になってしまうところですが)、そこをギリギリのところで踏みとどまって、痛快な大活劇にして見せたのは、この漫画版ならではの魅力と申せましょう。
確かに、さして出番のないまま終幕となってしまったキャラクターもおりますし、設定の説明など駆け足に感じる部分はあるのですが、本作の熱量の前には、それもさして気になりません。
何よりも本作が、原作を初めて手にした時の興奮を――剣豪対怪物対宇宙人のバトルロイヤルの高揚感を甦らせてくれたことは、間違いなく事実なのですから……
『大帝の剣』第4巻(横山仁&夢枕獏 幻冬舎バーズコミックス) Amazon

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