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2015.06.14

7月の時代伝奇アイテム発売スケジュール

 今年は冬が終わったと思ったらすぐに暑くなったような気がしますが、そんなこんなで気がついてみればもう今年も半分近くが過ぎ、7月はもう目前。時間の流れの早さに愕然となりますが、それだけ新刊の発売日も早くやってくる……というわけで、7月の時代伝奇アイテム発売スケジュールであります。

 点数的にはそれほど多いというわけではありませんが、気になる作品は決して少なくない7月。
 文庫小説の新刊では、何と言っても小松エメルのシリーズ最新作『一鬼夜行 雨夜の月』が気になるところです。昨年の第一部完から、時間を遡って前日譚になる模様ですが、久々の小春の登場が、ファンとしては大いに楽しみなことであります。

 また、隔月登場の白泉社招き猫文庫からは、今回も気になる作品が登場。以前短編で雑誌掲載された作品の長編版である越水利江子『うばかわ姫』は、児童文学のフィールドで活躍してきた作者の初の一般向けという点も目を引きます。
 また、松田朱夏&富沢義彦『ジロキチ 新説鼠伝』は、鼠小僧次郎吉っというおなじみのキャラクターが題材ですが、『危機之介御免』『CLOCKWORK』とユニークかつ斬新な時代ものを手がけてきた富沢義彦の作品だけに、何が飛び出すか楽しみです。

 また、その他のシリーズものの新刊としては、上田秀人『御広敷用人 大奥記録 8 柳眉の角(仮)』、鏑木蓮『賢治の推理手帳 2 イーハトーブ探偵 山ねこ裁判』が今から気になるところであります。

 また、文庫化としては、柳広司『シートン探偵記』、森谷明子『白の祝宴 逸文紫式部日記』と、時代も国も全く異なりますが、有名人探偵もの二作が登場。特に後者は、『千年の黙 異本源氏物語』の続編ともいうべき作品だけに楽しみです。

 その他、荒山徹『禿鷹の城』(『禿鷹の要塞』の改題でしょう)、菊地秀行『真田十忍抄』と、戦国伝奇の快作2作品も、要チェックでしょう。


 一方、漫画の新刊はシリーズものの続刊がほとんどですが、やはり気になる作品揃い。

 何よりも楽しみなのは、重野なおき『信長の忍び』第9巻ですが、こちらは出版社は異なるものの同じ戦国四コマの『政宗さまと景綱くん』第1巻が同時刊行。時代は微妙にずれていますが、重野戦国史とも言うべき世界に浸りましょう。

 また信長といえば、新たなステージに突入した梶川卓郎『信長のシェフ』第13巻も気になるところ。
 一方、比較的(いやかなり?)珍しい鎌倉伝奇ものは、玉井雪雄『ケダマメ』、鎌谷悠希『ぶっしのぶっしん 鎌倉半分仏師録』と、それぞれ第3巻が刊行されます。

 また文庫化・再版では、ひかわきょうこの佳品『お伽もよう綾にしき』第1、2巻が文庫版で登場。タイトルから受ける印象どおりのやわらかなムードの中に、力強い一本筋の通った作品です。
 一方、芦田豊雄『暴流愚』下巻は、これまたタイトルどおり、どこまでも暴力的で、そしてどこかもの寂しさを感じさせる新選組奇譚であります。


 最後に西洋伝奇ものですが――連載開始から完結・単行本化をいまかいまかと楽しみにしていた藤田和日郎『黒博物館 ゴーストアンドレディ』が上下巻で登場。
 皮肉屋の幽霊が取り付いた女性、それはあの……と、想像するだにワクワクする物語を一気に読めるのが嬉しい。最近別の場所でお会いしたような気もしますが、キュレーターさんとの再会も楽しみであります。



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コメント

藤田和日郎先生の『黒博物館 ゴーストアンドレディ』の資料は交流のある田中芳樹先生から提供されたのでは?と思われます。以前別作品でも田中先生から資料提供して貰っていますから。ちょうど田中先生が『ヴィクトリア朝怪奇冒険譚』の重要キャラで登場しているのが『黒博物館 ゴーストアンドレディ』のヒロインなので。

投稿: ジャラル | 2015.06.21 20:26

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