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2016.06.26

『仮面の忍者赤影』 第27話「根來十三忍」

 根来に使者を遣わした悪大名・夕里弾正。信長に反乱の兵を挙げた弾正は信長暗殺を依頼、根来の頭領・暗闇鬼堂は「夜の世界」と引き換えに依頼を受ける。第一番手の水馬流馬の奇襲に一度は爆発の中に消えたと見えた赤影だが、信長の影武者として流馬と対決する。しかし信長には新たな危機が……

 冒頭登場するのは、紀州根来の山中、暗闇寺なる地に急ぐ四人の男たち。行く先々で死体と出くわし半泣きの彼らですが、ついに彼らも一人、また一人と奇怪な殺され方をして、残った二人は這々の体で吊橋にたどり着くのですが……そこで待ち受けていたは、邪悪な仙人といった趣の妖人であります。
 「四人は多すぎる」と彼が吊橋を揺らせば、たまらず転がり落ちたのは男たちの一人、そしてそれを待ち受けていたのは、なんとも不気味な怪獣の巨大な口――

 そこで気絶してしまった最後の男が意識を取り戻してみれば、目の前にいたのは先ほどの妖人・暗闇鬼堂。夕里弾正の家臣である男は、使者としてやってきたのであります。天下に号令するため京に上らんとする弾正は、本願寺や朝倉、浅井、六角の残党ら信長包囲網と手を組んで信長に挑もうと……

 というのは、半ば以上は使者ではなく鬼堂が先回りして喋ったこと。弾正の依頼が信長暗殺であることを知った鬼堂は、自ら返事をするというと無残に最後の使者を殺し、弾正の寝所にこつ然と現れます。深酒や荒淫の結果か、目の周りを青く染めたような顔色の弾正と対峙した鬼堂は、「夜の世界」をもらうという条件で、信長暗殺を確約するのでありました。

 さて、弾正挙兵の報を知った岐阜城の信長は、信長包囲網により家臣たちの兵があまり動かせぬ中、とるものもとりあえず、ごく小数の手勢を連れ、京に向かうことを決意(この辺り、いかにも信長らしい)。そんな時に頼りになるのは……もちろん忍者であります。

 出発前夜、手の指先から出した水流の上を歩いて岐阜城に潜入(……ん? 冷静に考えると無理があるような気がしますが)した根来衆一番手・水馬流馬を迎え撃つのは、青影と信長の身代わりを務めていた白影。さらに赤影も参上しますが、流馬は形勢不利と見て城から脱出いたします。
 危機は去ったと見たか、赤影は一旦二人と別れ、単身城下の影屋敷に戻って旅の支度を始めるのですが――しかし大胆にもそこに現れたのは流馬。迎え撃つ赤影ですが、伏せていた下忍たちの「闇分銅」に動きを封じられ、爆薬をぶつけられて爆煙の中に消えて……

 翌朝、姿を見せぬ赤影を案じつつも、出発する信長に従って旅出つ白影と青影。しかしそこに根来忍者が襲撃、二人が下忍を迎え撃っている間に、流馬が信長の馬に! 馬に飛び乗り、信長に迫る流馬の刃――しかし信長の衣装をまとっていたのは、生きていた赤影!

 かくて三度目の戦いを繰り広げる赤影と流馬。水術の遣い手らしく流馬は爆薬をセットした手裏剣で木々を爆破、鉄砲水を起こしたのにも動じず、赤影は濁流の脇で、水中で、激しく流馬と刀を交えます。
 そして水が引いた後も繰り広げられた激闘の末、流馬は赤影の一刀の前に血煙をあげて斃れるのですが……しかし、「俺から流れる血は仲間を呼ぶ」という言葉のとおり、本物の信長の前にはガンダが――というところで次回に続きます。


 さて今回から始まる「根来篇」、登場するキャラクターはぐっと渋く……というより普通の時代劇調で一安心。が、その一方で怪忍獣たちがきっちり登場するのが、やはり本作らしいところでありましょう。今回登場のガンダは、冒頭とラストのみの登場ですが、リアルすぎない造形が、逆に不気味な存在感を感じさせるキャラクターです。

 しかし存在感と言えば、やはり夕里弾正と暗闇鬼堂。演じるは汐路章と原健策とという強烈な取り合わせで、これまでの幻妖斎とは全く異なるのベクトルの悪を感じさせます。
 また、今後詳しく触れる機会があるかもしれませんが、大和に居城を持ち、信長包囲網に加わって信長を狙うというのは、やはり夕里弾正のモデルは松永弾正でありましょう。とすれば鬼堂の方は果心居士……いやはや、たまらない取り合わせです。


今回の怪忍者
水馬流馬

 根来十三忍の一番手。岐阜城出発前後の信長を襲撃した。水術を得意とするらしく、手の指先からの奔流を伝わって城に潜入するなどの術を使う。刀術の方も相当の遣い手で、赤影と互角の戦いを繰り広げた。術の故か体質か、歩くとぺたりぺたりと水のしたたる足跡が残る。


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