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2016.06.20

『コンクリート・レボルティオ 超人幻想』の結末を迎えて

 『コンクリート・レボルティオ 超人幻想』が最終回が放映されました。昭和を思わせる文化風物歴史を持ちながらも、幾多の「超人」が存在するという点で決定的に異なる「神化」の世界を舞台とした物語の結末を迎えて、今回は、思い浮かぶままに書かせていただきます。

 世界の裏に潜む何者かの陰謀によって、あるいは己の背負ってきた過去と宿命によって、追い詰められてきた末に、ついに社会に対して宣戦布告するに至った主人公。彼が最終的にいかなる運命を辿ったか……
 その具体的な内容について、ここでは触れません。しかし、一抹の寂しさは否めないものの、物語はこの上ない大団円を迎えたと言うことはできます。

 幾多の超人たちが、それぞれの主義主張や権力や社会との距離感によって二手に分かれ、激しく激突する。あるいは、現実世界の歴史を彩る事件の裏側に存在した超人たちが陰謀に翻弄され、それぞれの形で社会と対峙する。
 本作は、そんな『シビル・ウォー』や『ウォッチメン』と大きく重なる要素、物語構造を(意図的に)多分に持ちながらも、しかし結末において、大きく異なる着地を見せることとなります。

 本作の結末で描かれたもの、それは超人と幻想(物語/虚構)の一つの輝かしい「勝利」の姿であります。それは、人間と現実に対する勝利では、もちろんありません。逆に、それを、その可能性を嗤い、否定するものに対する勝利であります。
 言い換えればこの結末で描かれたものは、まさしくタイトル通り超人と幻想の存在の意味・意義。この点において本作は――いささか誤解を招く表現かもしれませんが――先行する物語より「大きな」ものを描くに至ったとすら感じられるのです。


 確かに表面的な展開や着地点自体は、第一期のクライマックスのような直接的なカタルシスあるものとはまた異なるものであり、その点では不満や違和感を感じる方がいることもわからないではありません。
 しかしこの結末は、間違いなくこの第一期の展開の延長上にあるものであり、そしてそれはついに物語の世界を超え、現実の世界に、我々の世界にまで届いた……そう感じます。

 そしてそこに込められているものは、原作者でありメインライターである會川昇が、これまでその作品の中に時に直截的に、時に間接的に描いてきたものの集大成と言ってよいでしょう。
 虚構の物語(これは「娯楽」と言い換えてもよいでしょう)の中で現実の過酷さを浮き彫りにし、そしてそれと同時に、現実を否定したり逃避するのではなく、それ乗り越える力としての虚構を描くという試みの……


 本作は、鏡合わせの虚構の世界の歴史――それもこれまでのフィクションでは一瞬の空白期であった時代――を描くことを通じて、現実の世界のそれを再構成し、浮き彫りにしてみせてくれました。
 そしてそれと並行して虚構の世界で実在した超人たちを描くことを通じ、現実世界の物語に我々がこれまで見たもの、託してきたもの、言い換えれば(歴史上の事件の表面には表れない)精神性までも浮き彫りにしてみせたと言えるでしょう。

 そしてそれが同時に、物語の力をどこまでも信じ、謳い上げたものであったことが、私は何よりも嬉しく、希望に満ちたものとして感じられました。


 虚構の存在を通じて現実の在り方を描く物語を伝奇と呼ぶとすれば、本作はまさしく伝奇であり、そして同時にその伝奇というものの意味までも見せてくれた極めつきの作品である――些か牽強付会に見えるかもしれませんが、自信を持って言えるところであります。


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