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2016.07.02

『変身忍者嵐Χ』連載開始 新たなる変身忍者見参!

 初報から大いに気になっていた、にわのまこと『変身忍者嵐Χ』の連載が、『コミック乱』8月号から始まりました。言うまでもなく石ノ森章太郎の、あの『変身忍者嵐』をベースに、続編ではなく、新しい物語を展開するリメイクであります。

 時は関ヶ原の合戦が始まる直前、戦場に向かう徳川秀忠の前に、風のハヤテを名乗る謎の青年が現れたことから、本作は幕を開けることとなります。

 天下人を目前とした家康の息子とも思えぬほど人の良く、優しい秀忠。そんな彼が誤って崖から落ちかけた時、常人とは思えぬ身のこなしでハヤテが救ったのです。
 と、実は過去の記憶を持たぬハヤテは、秀忠が口ににした「父」という単語に激しく反応を見せるのでありました。

 そして出陣を目前に、兵を集めた秀忠の前に出現した奇怪な男。衆人の目の前で見る見るうちに巨大なサンショウウオのような姿に変化したその男は、化身忍者ハンザキを名乗ると、周囲の兵たちをものともせず、秀忠を攫って逃走。
 ただ一人追いついた伊賀忍者タツマキの技も及ばず、ハンザキの魔手が二人に迫った時――二人を奪い取り、天空に舞う一つの影! その鳥人めいた姿の影こそは、もちろん――


 というわけで、ついに見参した変身忍者嵐。特撮ヒーローファンで知られる作者の筆になるだけに、特に嵐のビジュアルは文句なし。
 実は意外と格好良く描くのが難しい嵐の姿を、見事にヒーローとして実に格好良く描き出していたかと思います。

 それにしても意外なのは、本作の舞台が関ヶ原前夜であり、徳川秀忠が絡んできたこと。
 本作のベースとなっている石ノ森章太郎の漫画版(おそらくは週刊少年マガジン版)は、時に歴史上の事件を、それも江戸時代前期のそれを題材としつつも、比較的歴史との関わりはアバウトに展開されたのですが、ここまでがっちりと史実と絡めるとは意外であり、かつ伝奇者としては大いに楽しみになってしまうところであります。

 特に秀忠とハヤテ、ともに父とは複雑な関係にある青年同士を絡めるという趣向は、石ノ森版の結末を考えれば、(少々気が早いですが)なかなかに興味深いところではありませんか。


 さて、これまで何度も、本作のベースは石ノ森章太郎の漫画版と申し上げました。
 実は……と改まることもありませんが、『変身忍者嵐』といったときに、多くの人の頭にまず浮かぶのは特撮TVドラマの方ではないかと思いますが、本作はあくまでも、漫画版のリメイクという扱いのようであります。
(骸骨丸ではなく、骨餓身丸の名が登場する点から、そう予測がつきます)

 個人的にはTV嵐の西洋妖怪編が大好きだっただけに、西洋妖怪も月の輪も登場しそうにないのは少々残念ではありますが、しかし先に述べたとおり漫画版そのままではない、大胆にアレンジを加えた物語が展開されそうなだけに、これまでとは全く異なる、新たな『変身忍者嵐』を楽しみにしてもよいでしょう。
(ただ一つ、絵が普段の作者のそれからすると少々違うタッチに見えるのが気になりますが……)


 石ノ森漫画版、TV版に続く第三の(いや「希望の友」版を入れれば第四の?)嵐の活躍に期待しましょう。


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コミック乱 2016年8月号 [雑誌]


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