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2016.07.22

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』 第2話「襲来! 玄鬼宗」

 丹翡から玄鬼宗に追われていた理由を聞いた殤不患と凜雪鴉。自分には関係ないと二人と別れる殤不患だが、既に玄鬼宗の手配は各地に回っていた。待ち受ける玄鬼宗・獵魅と対峙する殤不患の前に、槍使いの捲殘雲と弓使いの狩雲霄が現れる。殤不患に代わり、玄鬼宗を一掃する狩雲霄だが……

 TMRの曲に乗せた派手な、しかし本作に似合いのOPの後に始まった『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』の第2話、冒頭で物語られるのは、本作の中心となるであろう天刑劍の来歴であります。かつて人界と魔界が争った際、人界側の逆転の切り札となった武具・神誨魔械。その中でも最強と目されるのが天刑劍であり、丹翡はこの剣を守る護印師の一族だったのでした。

 今は丹翡の一族の聖域は玄鬼宗の手に落ちたものの、その中に蔵される天刑劍を手にするには、柄と鍔が必要。柄は蔑天骸の手に落ちたものの、鍔の方は丹翡のもとに。そして丹翡は、兄の仇討ちのため、蔑天骸に挑むと語るのですが……何故か「鬼鳥」の名を名乗る凜雪鴉は助力を申し出たものの、殤不患はこれ以上の面倒は御免こうむると、一人去っていくのでありました。
 が、凜雪鴉は彼が戻ってくることを知っているかのように動ぜず、三通の手紙を認め、鳥を使って何処かに届けるのでした。そして何やら凜雪鴉は、蔑天骸のことを知るらしく、彼のことを「森羅枯骨」と呼ぶのですが――

 一方その蔑天骸の方は、居城でこれまでに集めた宝刀のコレクションを前に、この中に天刑劍を加えるべく配下に命令。これだけ見れば単なるコレクターですが、しかし求めるモノがモノだけに、それだけでは済まないようにも感じられるのですが……さて。

 一方、一人とある街に辿り着いた殤不患ですが、やはりと言うべきか、とっくに玄鬼宗の手配書は回され、街の人々は後難を恐れて彼に近づこうとしません。やむなく街を出た殤不患の前に現れたのは、巨大な弓を持つこれまた一癖ありげな隻眼の壮漢であります。
 この先に玄鬼宗が待ち受けていると語る壮漢ですが、これで行く道を変えれば大侠の名がすたる、と思ったかどうかはともかく、そのまま足を進める殤不患。果たしてその前には玄鬼宗の中でも幹部格の美女・獵魅と配下の皆さんが立ちはだかるのでした。

 もう俺は丹翡たちとは関係ないと言っても、この手の連中に通じるはずもなく、殤不患の首を取る気満々の獵魅。いよいよ一触即発のその瞬間……時代がかった口上を自分の口で言いながら突然割って入ってきたのは、槍を手にした短髪の青年(長髪美形ではないというだけでこの世界ではなかなか新鮮)、捲殘雲であります。
 しかし殤不患も獵魅も視聴者も、彼が誰なのか知らない。おまけに彼自身、なんで割り込んできたかわからなくなってきたという漫才のような状況を打開するのは、玄鬼宗の一人に突き立てられた一本の矢。

 ここで登場するのはあの隻眼の壮漢、念白――賛詩のような形で講談師が述べるそのキャラクターの紹介――付きで登場したのは、鋭眼穿楊の渾名を持つ狩雲霄。前回、念白付きで登場したのが蔑天骸であったことを思えば、彼の格がわかろうというものでしょう。
 そしてその弓はもちろん伊達ではなく、遠距離からの正確なスナイピングで玄鬼宗を次々と射抜き、残るは獵魅を含めてただ三人……

 飛び道具は懐に飛び込んでしまえば、と軽功で間を詰めた獵魅たちですが、狩雲霄は悠々と三本の矢を天高く放ちます。拳で、蹴りで三人をあしらい、矢の落下地点に巧みに誘導するという神業を見せる狩雲霄、ただ一人、獵魅に対してだけは強打で吹き飛ばし、彼女が倒れた足元に矢が刺さりましたが、これはおそらく、彼が口で言うように獵魅が想像以上に打たれ弱かったのではなく、わざと狙ってのことでありましょう。
 さすがに捨て台詞を吐いて獵魅が去った後、残ったのは男たち三人。しかし狩雲霄は、殤不患の名を確かめるや否や、その矢を彼に向けて射て――と、実に武侠ドラマらしい引きで続きます。


 第1話冒頭ほどではないものの、たっぷりとケレンの効いたアクションを見せてくれた今回。弓という飛び道具は、どうしてもどこかチートっぽさを感じさせてしまうものですが、見せ方とアクション設計の面白さで、文句なく格好良いものを見た! という気分です(その一撃必殺感が、いかにも歴戦の強者の狩雲霄のキャラにもまた似合う)。
 その一方で、今回の敵役の獵魅は、首領の寵愛を求めるサディステックな美女というのが、いささか類型的な印象なのが残念ではありますが――

 残念といえば、作中で登場するキャラの渾名や技の名などとの固有名詞は、せっかく格好良いのですから、字幕で見せてくれてもよいのに……と思わなくもありませんが、これはちと贅沢の言い過ぎでしょうか。


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