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2016.08.23

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』 第7話「魔脊山」

 七罪塔で待つとその場は去った蔑天骸。最初の関門・亡者の谷に辿り着いた一行だが、刑亥の術がうまく働かず、結界からあぶれた殤不患は一人奮闘を余儀なくされる。さらに第二の関門・傀儡の谷でも狩雲霄の矢が通じず、殤不患はただ一人、巨大な傀儡を相手に死闘を演じる羽目に……

 全くキャラが立っていなかった獵魅は本当にあのまま死んでしまったらしく、全く言及もないままスルーされて始まる今回。突然登場した蔑天骸は、流星歩でいきなり丹翡たちの乗る船の上に出現いたします。仇を前に闘志を燃やす丹翡は、ここに集った六人の義士の力で天刑劍を取り戻すと宣言しますが、「義士?(プッ」という感じでこれを嘲笑う蔑天骸。面白い、七罪塔で待つなどと、大物っぽいことを言い残し、呼び出した妖魔の腕に捕まって去っていくのでした(残された連中も慌てて流星歩で消える)。
 鬼鳥は見逃してもらったと言うものの、イベント戦闘もなしに消えられても今ひとつ小物感が拭えないのですが……

 さて、いよいよ明日は魔脊山という晩、念白付きで型の修練に余念がない丹翡のもとに現れたのは捲殘雲。型の流れに不完全な部分があることとその想定される要因、そして丹翡の心の焦りを一目で見抜く辺り、彼もただのお調子者でないことがわかります。そして型を自分流に改めるべきという提案も、それなりに理に叶ってはいるのですが……
 伝統の中で生きてきた丹翡にとっては――ましてや弱点の原因が自分が女であるためと指摘されれば――面白いはずもありません。さらに、子供を産んで云々という捲殘雲の発言に、完全に怒ってしまうのでした。

 そして一行が臨むのは第一の関門、現世に未練を残した亡者が彷徨う亡者の谷。ここはもちろん、死霊術のエキスパートである刑亥の出番であります。丹翡を中心に、捲殘雲と狩雲霄が手にした帯の三角形が作り出す結界の中に守られ、前回も披露した歌声に乗せた術を使う刑亥ですが、しかし術が効かない。この術、死者が死んだ年代によって歌の調子を変えないといけないとのことで、試行錯誤する刑亥ですが……
 ここでモロに割りを食ったのは殤不患。件の結界から外れてしまった彼は、ただ一人亡者に集中して襲われる羽目になってしまったのであります。もちろん亡者相手に引けを取る彼ではありませんが、何しろ相手は無数に近い。結界を維持している三人はともかく、殺無生と鬼鳥は手が空いているはずですが、こいつらが素直に動くはずがありません。鬼鳥などは殤不患の助けを求める声をうるさいという始末で、刑亥の歌に合わせて何か楽しげに指揮を取っております。

 ようやく亡者たちが大戦のあった二百年前の死者とわかり、調律を済ませた歌で亡者を一掃した時には、殤不患は汗みずくに。しかし仲間たちは彼を一顧だにせずに先を急ぐのでした(そもそも、これだけ死者が大量に生まれる可能性が一番高いのは二百年前だとすぐわかりそうなものなのに……)

 そしてあっさりと着いた第二の関門、傀儡の谷を守るのは、身の丈五丈の岩の巨人。首の裏にある弱点を破壊すれば動きが止まるというものの、動き出さなければ弱点も露わにならないため、巨人を動かそうと刺激を与える殤不患ですが……いざ動き出してみれば、弱点を破壊する係の狩雲霄の矢が当たらない。当たらなくても何だか呑気な狩雲霄ですが、殤不患にとってはたまったものではありません。
 動く者だけを狙うという巨人に一人目をつけられ、仲間たちは全く当てにならない状況で、相手が振り下ろしてきた腕に飛び乗るとそのまま駆け上がり、自らの剣で弱点を直接粉砕してのける殤不患。その後、バランスを崩して上から落ちた彼の衣を射抜いて落下を止めたのは狩雲霄ですが、自分の失策を棚に上げて恩着せがましくされても……

 と、自分だけ働かせて余裕こいている連中に対し、俺はピンでやらせてもらう! と殤不患の怒りが爆発したところで次回に続きます。


 その突破のために達人たちを集めたにも関わらず、あっさりと一話のうちに二つもクリアしてしまった七罪塔への関門。てっきり一つ一話ずつかけ、仲間たちが一人ずつ散っていくのかと思えば、拍子抜けであります。
 そして本当に感じの悪い殤不患以外の「義士」たち(特に狩雲霄は前回から株が下がりっぱなし)。余裕こいてますが、刑亥と狩雲霄(あとそもそも役目のない捲殘雲)はいわばもう出番は終わったわけで、いつ惨死させられてもおかしくないのを忘れていませんかね……特によくアクションしていて人形が傷んでそうな捲殘雲。

 と、見ているこちらの性格も悪くなりそうな展開が続きますが、予告を見れば次回はもう七罪塔に到着の様子です。まだ半分を超えたばかりなのですが……ラスボスの座を滑り落ちそうな蔑天骸が心配であります。


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