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2017.01.27

『風雲ライオン丸』第3話 「火を吹く亀甲車」

 里見城下で蔓延する疫病の特効薬であるモチナシ草を、十五里離れた小沼村から運ぶことになった志乃と三吉。しかしモチナシ草はマントル怪人ドカゲに狙われていた。馬車を走らせる二人に幾度となく襲いかかるドカゲ。二人は豹馬の、獅子丸の助けを借りて先を急ぐが、その前に奇怪な車が――

 馬車(ビックリ号)で旅を続ける志乃と三吉が、途中の小沼村で引き受けることになったのは、村でしか生えないモチナシ草という薬草の輸送。疫病に苦しむ里見城下の人々のため、この薬草を運ぶことになったのですが……しかしそれを奪うべく命を受けたドカゲと配下の地虫忍者が二人を追います。
 途中、草むらに怪しげな岩を見かけた三吉が訝しむ一方で、突然車輪が止まってしまった馬車。志乃が下を覗き込んでみれば、地中から突き出た何本もの腕が車輪を捕らえているではありませんか。

 もちろん地虫の仕業ですが、ホラー的な演出の間に志乃が慌てて馬車を走らせたために置いて行かれることに。と、怒ったドカゲはマントルの掟と称して地虫を一列に並べると、先頭の一人以外が刀を掲げて……と、その後ろの地虫が前の者を斬り、次はその後ろが前を、と繰り返して最後はドカゲが最後の地虫を斬るという、狂気の総括であります。

 そんな間も馬車を走らせる志乃ですが、そこに待ち構えていた地虫の群れが再び襲撃。と、そこに駆けつけた獅子丸が地虫を蹴散らす間に逃れた二人は、敵を撒くために街道を外れ、川沿いの道を行くことになります。しかし、普通の道ですら危なっかしい馬車ですから、岩だらけの河原を走るのは危険極まりない。案の定、大切なモチナシ草の包みが幾つも川に流され、うち一つは手の届かないところに……元気な三吉もさすがに落ち込んで涙がポロリ。それでも志乃の優しい励ましを受けて立ち上がった三吉ですが――

 そんな間に馬車を奪って駆け抜けていくドカゲ。慌てて追いかける二人ですが、再び駆けつけた獅子丸は地虫を倒すと、ドカゲを引きつけて去って行きます。
 しかしなおも追いすがる地虫。密かに三吉が作っていた竹製のランチャーで目潰し弾を打って地虫を撃退していくものの、多勢に無勢、二人とも馬車から引きずり出されて……というところに響き渡る朗らかな若い声。偶然居合わせた豹馬が、退屈しのぎと二人の救援に駆けつけたのです。前回とは違う変身フォーム(しかし途中の微妙なメイクは変わらず)でブラックジャガーに変身し、地虫を蹴散らす豹馬。と、積み荷がモチナシ草と知った彼は金儲けのチャンスを目を輝かせますが、二人が人助けのために働いていると知り、つまらんと去っていくのでした。ちゃっかり今回のことは貸しにしておくと言い残して。

 さて、ようやく里見城下まであとわずかまで来たところで、再び現れた謎の岩。あからさまに周囲から浮いたその姿を怪しむ三吉の前で現れたその正体は――マントル一族の秘密兵器・亀甲車、いわば装甲車であります。そのデザインは亀というよりネズミとアルマジロとカタツムリを足してどうにかしたような不思議な外観ですが、しかし突き出した砲台から次々と放たれる爆裂弾は、この時代特有の本気の爆発連打で馬車を追い詰めます。
 そこに三度駆けつけたのは獅子丸! 二人をかばった獅子丸は、放たれた爆裂弾を拾い上げると爆発前に投げつけ、亀甲車を沈黙させると、残るドカゲと地虫に対し、ライオン丸に変身して立ち向かいます。

 しかし何故かドカゲが額につけている鏡に、殺気マンマンのライオン丸の顔が映る演出はいいのですがドカゲの実力はいまいち。剣を跳ね飛ばされ、ライオン丸が拾えと言っている隙に、左腕につけていた鈍器状の装甲を取り外して投げつけるのですが……爆弾となっている先端も効かず、下の部分を輪投げの要領で投げてライオン丸の刀を封じようとしても投げ返され……ライオン風返しで爆破されるのでした。
 そして志乃と三吉は無事に里見城下に到着し、獅子丸は二人と別れ、相変わらずの硬い表情で再びマントルを探す旅に――


 本作の特徴であるウェスタン風味が全面に押し出された今回、馬車という時代劇では実は珍しい乗り物を使ったチェイスというのはなかなか面白いアイディアだと思います(豹馬のキャラが出ているのも楽しい)
 ただ、志乃は基本的に猪突猛進(迂回路は使いましたが……)なので攻防戦としての楽しさに乏しかったのがちと残念。タイトルに登場する亀甲車も、もう少しケレン味を持たせればいいのに……とは思います。


今回のマントル怪人
ドカゲ

 モチナシ草を狙って志乃と三吉を追うトカゲの怪人。片腕を覆う防具は取り外し可能で、先端は爆弾になっている。亀甲車と連携して二人を襲うがライオン丸に一蹴される。長い尻尾を持つが特に意味はなかった。


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