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2018.11.17

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀2』 第7話「妖姫の囁き」

 諦空との語らいの中で、己の忠義に悩む蠍瓔珞。彼女のもとに喪月之夜以外の魔剣があると睨んだ嘯狂狷は、西に向かう街道に張り込む。その罠にかかり、捕吏たち切り刻まれた末に、蠍瓔珞はついにその手の七殺天凌を抜き放つ。その場に急ぐ殤不患らだが、一歩遅く、恐るべき虐殺が始まった……

 そういえばまだ一緒にいた諦空と蠍瓔珞から始まる今回。悟っているのか無感動なのか、淡々と語る諦空に、いつしか蠍瓔珞は自分の速水奨への忠義のあり方を問いかけるのでした。彼女にとっては、忠義こそが己の存在の証、そのためには魔剣目録を持って帰らなければならないはずが、手に入ったのは二振りのみ――それも喪月之夜は嘯狂狷に奪われ、手元には危険極まりない一振りのみが残ったのみであります。しかも手傷まで負わされた状態で、如何にして忠義を果たすべきか――彼女の悩みは尽きません。

 さてこちらは上で述べたように喪月之夜を奪った嘯狂狷ですが、果たして蠍瓔珞が奪った魔剣がこれ一本なのかはわからない状態――ではありますが、可能性として一本だけとは限らないと睨んだ彼は、蠍瓔珞がそれを手に西幽に逃れることを予想して、街道に網を張る策を巡らせます(こういう所はさすがと言うべきか)。
 と、ここでしれっと掠風竊塵のことを鬼鳥に訪ねる嘯狂狷ですが、凜雪鴉はそんなものは都市伝説みたいなもんですよといなし、そんな刑部の怠慢を糊塗するような話を四方御使のボクの前でされると不愉快ですね――と流してしまうのでした。。

 さて、鬼鳥から今度は凜雪鴉の顔に戻ってのんびり釣りをしている彼の前に現れたのは殤不患。嫌っている相手ながら解毒剤の例を言っていなかったから――とかいう理由で呼び出しに応える彼は本当にお人好しです。
 解毒剤は自分の楽しみのためだったから全然おkと、竜よりもその後に浪巫謠に殺されかけたのも意に介さぬような凜雪鴉ですが、その彼に西幽では皇帝の宝物庫を破ったんだって? と言われて、悪びれずに当然だしと返す殤不患もやっぱり常人と感覚が違う――と思わされます。

 さて、嘯狂狷をハメてメシウマするために奴の情報を教えろという凜雪鴉に対し、嫌な奴が相手でもそんなことをすれば酒が不味くなると答える殤不患。ただし、嘯狂狷が蠍瓔珞に変な追い込みをかけて暴走させるようなことになったら、お前に力を貸してでも奴を止めるという殤不患ですが――時既に遅し。嘯狂狷が蠍瓔珞を待ち伏せしていると聞いた殤不患は、慌てて現場に急ぐのですが……

 そしてただ一本の魔剣を主のもとに持ち帰るべく、西に向かってよろめきながら進む蠍瓔珞ですが、その前に現れるのは嘯狂狷と捕吏たち。一斉に襲いかかるモブ捕吏たちの前に、もはや毒虫を放つ余裕もなくなったか、蠍瓔珞は膾斬りの状態であります。そして地に伏した彼女を、残酷な言葉でいたぶる嘯狂狷ですが――自らの無力さを呪う蠍瓔珞の絶望が、ついに魔剣・七殺天凌に応えた!

 これまで幾度も拒んできた魔剣の誘いに乗り、鞘から魔剣を抜き放つ蠍瓔珞。この段になってようやく彼女が持っていたのが七殺天凌であったことに気付いて慌てる嘯狂狷ですが――さて、彼をはじめ、この魔剣のことを知る者が皆恐れるその力とは……
 と、その刀身から放たれたのは、妖しげな桃色光線、その光を目にした者は、美女に誘惑されたがごとく無我夢中で七殺天凌に群がっていくではありませんか。自ら刃の前に飛び込んでくる者たちを次々と屠っていく七殺天凌と蠍瓔珞――次々と首が飛び胴が断たれるその惨状は、画面が白黒になってしまうほどであります。

 久々の獲物に嬌声を上げる七殺天凌と、魔剣から流れ込む力――犠牲者の生命に恍惚となる蠍瓔珞。魔剣の誘惑の前には嘯狂狷も及ばず、引き寄せられるところに殤不患と浪巫謠が駆けつけますが、彼らとて目にすれば終わりであります。攻撃を躱すのがやっとの有様の殤不患は、かつて封印された怨みを抱えた七殺天凌の猛攻の前に打つ手なしなのか!? というところで次回に続きます。


 比較的動きの少なかった中盤(殤不患と凜雪鴉の会話はいつも愉快なのですが)に対して、終盤は桃色光線飛び交う白黒切株大会という派手な展開となった今回。前作に続き、弱ってる相手に変な追い込みをかけるのはよくないということを教えてくれます。

 それはさておき、ついに今回、魅了効果付きストームブリンガーとでも言うべき厄介すぎる魔剣・七殺天凌が抜き放たれましたが、果たしてこの剣がラスボスとなるのか――まだ物語は折り返し地点、この先どこに転がっていくのかまだわかりません。
 ちなみに七殺天凌が言うには、若造の頃に魔剣を封じたという殤不患。その時は果たして如何なる手段を使ったのか――それはおそらく次回語られるのでしょう。


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