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2019.01.20

『どろろ』 第二話「万代の巻」

 百鬼丸につきまとい、ある村に現れる化物退治の話を持ってきたどろろ。村に泊まった晩、さっそく化物が現れるが、百鬼丸はそれを無視したどころか、村長の女・万代に斬りかかろうとする。放り込まれた牢で琵琶丸と出会った二人だが、そこに襲いかかる謎の化物。百鬼丸の「眼」に映る真実とは……

 前回のラストから、百鬼丸と行動を共にするどろろ。といってもどろろの方は百鬼丸という名も知らず(口を利けないので)、一方的に絡むばかりなのですが――百鬼丸の方も完全にマイペース、マイペース同士が組み合わさって、何となくウマがあったように旅は続いていきます。と、ここでナレーションが語るには、百鬼丸はその「眼」で「命の炎」を見て、その色で相手が何者か――その危険度が見えるとのこと。そういえば前回、百鬼丸が泥鬼を捉えたシーンでは赤く表示されていましたが、どろろは白い色のようです。

 さて、とある村で化物が出没して旅人が行方不明になっているとの話を仕入れてくると、礼金目当てに百鬼丸を引っ張っていくどろろ。訪ねた村は田畑も大してない割には裕福そうな様子でしたが――現れた村人は化物を退治するという二人を歓待するのでした。
 その晩、馬小屋で寝る二人の前に突然現れたのは「やろうかぁ」と語りかけてくる頭の大きな不気味な化物。これが件の化物かと驚くどろろですが、百鬼丸はこれを完全に無視し、化物も消えてしまうのでした。

 当然ツッコミを入れるどろろを、百鬼丸がスルーしているところに、村長の万代さまが二人に会いたがっていると呼びにきた村人たち。行ってみれば、そこで待っていたのは、足が悪いと寝所から上半身のみを覗かせた美しい女でありました。
 と、百鬼丸に何やら見覚えがある様子の万代さまに対し、突然刀を抜いて襲いかかる百鬼丸。当然ながら百鬼丸は村人たちに押さえつけられ、二人は牢に放り込まれます。もちろんどろろは怒り心頭、あんた本当に見えてねえ! と罵りますが、そこで語りかけてきたのは先客――琵琶法師の琵琶丸です。

 どろろに対し、自分やどろろにとっての――目明きと異なるものの見え方、先にナレーションが説明した内容を語る琵琶丸。と、そんな時に突然灯りが消え、真っ暗になった中で何者かが襲い掛かってきたではありませんか。しかし百鬼丸は冷静にこれを迎撃し、相手が現れ、再び逃げ込んだ井戸(?)に自らも飛び込んでいきます。そして琵琶丸に引っ張られてどろろもまた……
 一同が表に出てみれば、そこで待ち受けていたのは万代さま。しかし琵琶丸の目に映る彼女の魂の炎の色は――どす黒い血のような赤! 琵琶丸に言わせれば、化物なんてものではなく「鬼神」のそれであります。

 そして隠れていた万代さまの下半身が姿を表してみれば、それは顔の周りに無数の触手を垂らしたおぞましくも巨大な怪物。触手に貫かれながらも意に介することなく相手の巨大な目を叩き切り、怪物を追い詰める百鬼丸ですが、怪物は竹藪に逃げこみます。無数の竹を槍代わりに飛ばす相手に苦戦しつつも、そこに現れた「やろうかぁ」の化物に怪物が気を取られた隙に脱出した百鬼丸は、怪物を一刀両断。そしてその前に再び現れ、アレだけがお前を取れなかった、などと意味深なことを言いながら鬼女に変身しようとした万代さまを、百鬼丸は問答無用で倒すのでした。
 そして明らかになる真実――村に現れた万代さまの力を恐れた村人たちは、彼女が喰った旅人の身につけていたものを奪い、暮らしの糧としていたのであります。そして「やろうかぁ」の化物――金小僧は、かつて万代に食わせた遍路が持っていた金を守っていたのであり、村人たちは金小僧の鳴らす鐘の音に怯えていたのでした。

 そんな村人たちをなじるどろろですが――しかし反省するのはどろろも同じ。さすがにしょんぼりと百鬼丸に謝るどろろに対し、百鬼丸はなだめるように顔に手をやります。名無し野郎のくせに! とヒートするどろろに対し、地面に自分の名を書いてみせる百鬼丸。字を読めないどろろに代わり、琵琶丸が字を触って読むという少々奇妙な形で、どろろは百鬼丸の名を知るのでした。
 そして醍醐景光の所領では、突如国境で隣国な不穏な動きを見せ始めます。そしてそれと地獄堂の鬼神像の一つが崩れ、時を同じくして百鬼丸の体(神経?)にも異変が……


 万代と金小僧という、原作でも非常に印象に残るビジュアルの妖怪二体が登場する今回。物語的には原作を踏まえつつ、村人たちが万代に怯えつつも依存し、利用していたという、戦国地獄絵図が印象に残ります。
 そしてもう一つ印象に残るのは百鬼丸や琵琶丸の「眼」の設定。目で見えたものが真実ではないという今回の物語に巧みに絡められていましたが、後半で琵琶丸が解説するのであれば、前半のナレーションは不要だったのでは、とナレによる解説があまり好きではない私としては思うのでした。


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