久正人『カムヤライド』第2巻 出雲の激闘決着! そして2号戦士登場!?
4世紀を舞台とした日本最古の(?)変身ヒーロー・カムヤライドの活躍を描く変身アクション伝奇漫画、待望の第2巻であります。各地で復活する国津神を次々と封印していくモンコとヤマトタケルが出雲で繰り広げる死闘の行方は、そして第2の戦士とは……!
熊襲の王・カワカミタケルの討伐に向かった先で、奇怪な怪物・土蜘蛛と化した相手に襲われたオウス。オウスを救い、カワカミタケルに力を与えた国津神を倒したのは、神を封じる力を持つ仮面の戦士・カムヤライドに変身する青年・モンコでありました。
大和に向けて旅するモンコとオウス改めヤマトタケルは、その後も各地で復活した国津神と対決。そして出雲で、不思議な剣を持つ青年・イズモタケルとともに、巨大な国津神と対峙する二人ですが……
というわけで、この第2巻はいきなりクライマックスからスタート。神殿が変化した巨大国津神・高大殿神(タカバルドン)に戦いを挑むモンコですが――しかしその巨体以上に、総身を鉄で覆ったタカバルドンは無敵の防御力を誇ります。
国津神を封印するには、まずその身に鍵穴を開けなければならない。そのためにモンコはヤマトタケルにある頼みをするのですが――この場面が実にいいのであります。
これまでは功を焦ったり、増上慢で痛い目にあったりと、未熟な面が目立っていたヤマトタケル。しかしモンコとの戦いの中で少しずつ成長してきた彼は、己に憧れるイズモタケルの前で、英雄としての自覚を見せることになります。
とはいえそんな彼はあくまでもただの人間。いかにヤマト王族の血を引くとはいえ、この世で唯一国津神を封印する力を持つモンコ=カムヤライドに及ぶものではありません。
しかし――それでもモンコはそんなヤマトタケルを信頼してみせるのです。ほとんど殺し文句、こんなことを言われたら人間として立ち上がらずにはいられない名台詞でもって。
人間の代表というべきヤマトタケルを、超人というべきモンコが、己の命を預けるに相応しい相棒として(しかしストレートにそう言わないところがまた心憎い)信頼してみせる――それがこちらの心を熱くさせないはずがないのであります。
さらにこの出雲編では、思いもよらぬしぶとさを見せる国津神に対するヤマトタケルの孤軍奮闘あり、さらに国津神を復活させて回る謎の男・ウズメとの最初の対決ありと、実に盛りだくさん。本作の最初のクライマックスと言っても過言ではないでしょう。
が――この第2巻の真のクライマックスはこれからであります。突如出現した、巨大なハサミを持つ国津神に蹂躙される難波の湊。ここで恐るべき力を持つ国津神に挑むのはモンコたち――ではなく、ヤマトの精鋭部隊・黒盾隊とその女隊長・オトタチバナ(!)であります。
しかし文字通り鉄壁の防御力を誇る黒盾隊もやはり人間、国津神の攻撃に苦戦を強いられる中で、オトタチバナが、もう一つの姿を見せることになります。黒金の体に魂を宿した戦士――その名はオトタチバナ・メタル!
って、文字通りのメタルヒーロー(ビジュアル的には女バトルコップ的)が登場と、予想外の展開に仰天の2号戦士の登場ですが――しかし宇宙からやってきたモノに汚染された土を素体とする国津神に抗するに、カムヤライドが汚染されていない旧き土を素体とする一方で、新たな、そして人造の物資である黒金を用いた戦士というのは、確かに平仄が合っていると言えるでしょう。
そしてその戦闘スタイルも、シャープでスピーディーなカムヤライドに対し、持ち前の防御力と心意気でもって耐えて耐えて耐えまくった末に、一撃で決めるという対照的なもの。いやはや、この二人が手を組めば怖いものなしでしょう。
……と言いたいところですが、きょうび(古代ですが)ヒーロー同士が顔を合わせて一発で仲良くなるというのはまずないお話。二人のヒーローがいきなりライバル意識剥き出しでぶつかり合った――というか一方的にモンコが突っかけた末に、思わぬ展開を描いてこの巻は幕となります。
果たしてこの先、モンコとオトタチバナが手を組む日が来るのか。そして神話的には――なヤマトタケルとオトタチバナはそういうことになるのか?
全く先が読めない展開ですが、しかし本作が変身ヒーローものとして、そして伝奇活劇として、必ずやこちらの期待を上回るものを見せてくれることだけは、これはもう確信できるのであります。
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