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2019.10.25

『無限の住人-IMMORTAL-』 二幕「開闢 かいびゃく」

 更なる助太刀を求め、父の友人だった絵師にして公儀隠密の宗理に助力を求める凜。そこに逸刀流の剣士たちが乱入して混戦になった末、宗理は力ではなく金で助力すると告げる。その後、研ぎ師のもとでで父の刀を見つける凜だが、持ち主は逸刀流の剣士・凶だった。刀を取り戻すため、単身凶に挑む万次だが……

 第二話の今回からOPEDがついて通常営業(?)となった本作。今回は前半と後半でそれぞれ原作の宗理のエピソードと凶戴斗のエピソードを映像化した形となっています。

 まず前半に登場の宗理は、芸術に偏執的な情熱を燃やす絵師であり、凜の父・浅野虎厳の幼馴染みにして腕利きの剣士であり、そして幕府隠密(忍目付)という、冷静に見れば結構盛り過ぎな人物。
 本作初期らしいリアリティレベルのキャラクター――という意地悪なことも言いたくなりますが、実はこの人がいなかったら後々万次と凜は結構詰んでいたのでは、という気もする重要人物であります。
(隠密という設定は、宗理をはじめとしてメインどころの登場人物たちの名前のモチーフである葛飾北斎が隠密だった、という奇説から来ているのかもしれませんが……)

 しかしこの宗理で注目すべきは、何と言ってもキャストでしょう。今回宗理は関智一が、良い具合に肩の力を抜いた(一瞬氏とは気付かないような)飄々とした声で演じているのですが――実は以前のアニメ版では(そして舞台版では)氏は万次役。
 そちらではいかにも「らしい」荒々しい演技で、全く今回とは異なりますが、何はともあれ新旧万次がここで対峙している――しかも一方は助太刀を断り、一種の傍観者として彼らを見送る役回りという――形になっているのは、なかなか面白いと感じます。


 一方、後半の凶戴斗のエピソードは、良くも悪くも水準の内容という印象。
 もっとも、妹の死が一種のトラウマとなっている、そして武士という存在に嫌悪感を持っている(それが今回の凶はさらに強調されていた感がありますが)という意味で万次と凶が表裏一体の関係にあることを再確認させてもらえたのは良かったと思います。

 バトルの方も、暗器的な得物を使ったり環境を用いた罠を用意していたりと、凶の戦い方は間違えても正当派ではないものの、しかしそれだけに万次とはかなり噛み合っていた印象。
 何だかもう色々とスゴい奴だった(割りには結構あっさり死んだ)黒衣鯖人、言動といい数を恃むやり方と言い見るからに脇役モブ的だった今回前半の敵・土持仁三郎(凶が口にするまで名前を完璧に忘れておりました)と、剣戟という点ではそこまで面白いわけではなかったのに対し、見るべきものは見せていただいた――という感があります。


 とはいったものの、一話で原作二話分をほぼ忠実に映像化というのは、本作にしてはちょっと手堅すぎるという印象が否めないのが正直なところ。
 もちろんそれはこちらのわがままなのですが、おそらく話数的にそこまで余裕がないのではと思われる中で、この先どのように結末まで物語を描いていくのか、気になるところではあります。


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