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2019.10.18

『無限の住人-IMMORTAL-』 一幕「遭逢 そうほう」

 剣客集団・逸刀流に父母を討たれた少女・浅野凛。あまりに強大な相手に挑む彼女に、謎の老婆・八百比丘尼は、用心棒を雇うことを勧める。その男――百人斬りの異名を持つ男・万次と出会った凛は、最初の相手として、父に直接手を下した男・黒衣鯖人に挑むが……

 あの『無限の住人』が、Amazonプライムビデオオリジナルで再アニメ化――それも原作ラストまでという報には驚かされましたが――その配信がいよいよスタートしました。
 実戦での強さを至上の価値とする剣客集団・逸刀流に対し、非力な少女・凛が、不死身の肉体を持つ無頼の剣士・万次とともに戦いを挑む――この長大な物語を、はたしてどのように描くのか、大いに気になるところであります。

 さて、この第1話では、アバンタイトル(というかOP部分)で、原作のプロローグ――万次の妹・町が司戸菱安に殺され、万次が不死身の肉体を見せる場面を消化。
 そして本編の方では、凛と万次の出会い、そして逸刀流との最初の対決――黒衣鯖人との対決までが描かれることになります。

 今回のアニメ版の監督は浜崎博嗣――これまでマッドハウスの作品、特に印象に残るものでは数々の川尻義昭作品で活躍し、アニメ版の『シグルイ』の監督も経験しているだけに、まず不足はない人物。
 第1話では血しぶきどころか肉片まで飛び散る残酷な場面を描きつつも、(最小限の動きで)凝った映像表現によって、原作とはまた少し違ったスタイリッシュさを描いていたと感じます。

 そしてキャストの方は、津田健次郎と佐倉綾音が万次と凛の主役コンビを担当。
 正直なところ、津田万次はかなり厭世的な色合いが強い語りに聞こえて、もう少し柄の悪い無頼漢ぶりを出してもよいのではないかな――と思いましたが、これは聴く方がいずれ馴れるのでしょう。佐倉綾音は、凛が感情を露わにした時の声が好印象でした。

 また今回のゲストキャラ・黒衣鯖人は花輪英司が担当しましたが、情があるようでそれが異常な方向に向かっている鯖人というキャラを、淡々と切々と語ることでうまく浮き彫りにしていたと感じます。


 が――これは原作の時点から全くこういうキャラクターではありますが、やはり何度見ても黒衣鯖人のリアリティレベルだけが、抜きん出た異常さを以て感じられるところではあります。

 この『無限の住人』は、原作冒頭から特に中盤あたりまでで大きくリアリティレベルが変わってくる――簡単にいえば、「時代劇」にかなり寄せてきた――作品であります。
 どうやら今回のアニメ版は、一本の作品としてその辺りをフラットにしているような印象もあり、原作冒頭に登場した切支丹の司祭まがいのキャラ・序仁魚仏をばっさりカット。また原作で印象的だった面白格好良い台詞(司戸の「な……何を不死鳥のごとくっ」とか凛の「この身を鬼に喰わせてでも殺す!!」とか)もカットされております。

 それはそれで個人的には面白いアレンジとして大いに歓迎したいところですが、そんなところで登場するのが、両肩に美女の剥製を生やした兜男(武器は手裏剣と真後ろまで回る肩骨)というのは何とすべきか。
 繰り返しになりますが、原作からこういうキャラクターではありますし、このような怪人だからこそ、これは原作通りの名台詞「死ねるテメェは幸せ者だっ!!」からの景気の良い解体アクションが映えるのですが……


 外連味横溢の怪剣士たちと死闘を繰り広げる『無限の住人』も、生死の極限で描かれる渋い群像劇の側面が強い『無限の住人』も、どちらも大好きなだけに、この先、この両輪をどのようにバランスを取っていくのか気になるところですが――何はともあれ、いよいよ完全アニメ化は始まりました。。

 原作ラストまでをどのように描くのか、どこを残しどこをアレンジするのか――ファンとして大いに楽しみであるのは間違いないところ、同時公開された第2話も近々にご紹介いたします。


『無限の住人-IMMORTAL-』(Amazon prime video) Amazon


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