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2020.03.15

『無限の住人-IMMORTAL-』 二十二幕「十掉尾 じゅっとうび」

 常陸に向かう途中の阿葉山と逸刀流門下生十人の前に現れる六鬼団と偽一・百琳。阿葉山と偽一の、門下生と六鬼団の壮絶な死闘の末、逸刀流は全て討たれる。一方、常陸の港で天津たちを討つため、非常手段を取る吐鉤群と六鬼団。その前に槇絵が、そして万次が立ちふさがる……

 前回から本格的に始まった逸刀流と六鬼団、そして万次のトーナメントバトルもいよいよ佳境。今回は実に以下の戦いが繰り広げられることになります。

 偽一vs阿葉山宗介
 荒篠獅子也・八宗足江進vs逸刀流門下生
 叢咲正造vs亜門國光
 乙橘槇絵vs弩馬心兵・八宗足江進
 万次vs吐鉤群

 今回は手合わせ状態で一瞬のうちに終わってしまった対決もありますが、常陸に向かう途中で繰り広げられた阿葉山・逸刀流門下生と六鬼団花組の戦いは、まさに死闘というにふさわしい激突でありました。

 特に壮絶であったのは、言うまでもなく偽一と阿葉山という無骸流と逸刀流のナンバー2、実質頂上決戦であります。阿葉山にとって、あの酒宴の騙し討ちで自分たちの仲間を屠った主犯の一人である偽一は不倶戴天の敵。しかし実力的に、彼を阻めるのは自分しかいない――その判断から一騎打ちを買って出た阿葉山ですが、冷静に考えれば彼がまともに戦うのは今回が初めてであります。その彼の技は――と思いきや、これが亡くした片腕に何本もの鎖を仕込んだ異形の得物を用いた遠近自在の戦闘術。
 遠近自在といえば、空飛ぶギロチンを操る偽一の戦闘スタイルでもありますが、偽一は以前万次との戦いでギロチンを壊されて、いまは律儀に(?)万次に譲られた鎖鎌を使っている状態。慣れない武器で戦う偽一では老獪な阿葉山に苦戦必至で――と、特殊な得物で極限の戦いという、これぞむげにんと言いたくなるようなバトル(しかし一箇所、「目にも留まらぬ鎖の動き」で誤魔化していたシーンがあったのはいただけない)には満足であります。

 ただ一点、阿葉山の「最期」が原作とは異なるのが残念なところで――原作で天津三郎という闇に呑まれる末路は、修羅と化していた阿葉山に相応しいものであっただけに、疑問の残るアレンジであります。


 一方、六鬼団花組の三人と逸刀流門下生の戦いは、ポッと出の「門下生」だけに感情移入のしようもなく(一人、狂った方向でキャラを立ててきた奴がいましたが――もちろん感情移入できず)、これまで今ひとつ出番の少なかった六鬼団の技の披露の場となってしまった印象は否めません。
 そんな中、拷問を得意とする酸の使い手という、誰がどう見てもクズの叢咲相手に、壮絶にも程がある相討ちを仕掛けたおすもうさんは立派だったと思いますが……

 いずれにせよ、逸刀流にとっては「未来」だった門下生十人がまさに掉尾となってしまったのは、彼ら自身が「逸刀流」であるために望んだ道とはいえ、何ともやりきれないものを感じさせます。
(しかしこの展開、門下生たちを残して偽一を一人で追いかけた阿葉山にも責任があるという気がしないでもない)


 しかし、少々失礼なことを言ってしまえば、これまでの戦いは本戦の前の前哨戦のようなもの。真の戦いは、ここから始まることになります。天津たちの脱出を阻むため、港の人間たちを皆殺しにするという相変わらず狂った吐の策に対して、ついに登場した槇絵。その最終兵器ぶりは相変わらずですが、実に良いタイミングで(何しろ吐が「天佑」とまで言うほどの)喀血――と思いきや、そこに登場した万次が思わぬ、しかしなるほど、と言いたくなるようなアイテムで彼女を助け、何だか主人公とヒロインのようなシチュエーションで反撃を開始することになります。

 そんな中で自分も戦いに加わろうと無茶をする凜(すっかり保護者の百琳と偽一もおかしい)と、どこに行ったかいまだ姿の見えぬ天津。そして吐と残る六鬼団花組の三人の戦いの行方は――残すところあと二話というところでしょうか?


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 無限の住人

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