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2020.08.26

花月仁&奥浩哉『GANTZ:E』第1巻 まさかの登場、『GANTZ』時代劇バージョン!

 喧嘩の最中、川に落ちた子供を助けて共に溺れ死んだ百姓の半兵衛と政吉。気が付けば謎の古寺の中にいた二人が見たのは、同様に死んだはずがいつの間にかここにいたという人々と、得体の知れない黒い球だった。そして球は、半兵衛たちに「宮本武蔵を倒せ」という指令を与える……

 人気が出た漫画にはスピンオフ作品が出るのが当たり前の昨今ですが、時代ものはそれとは縁遠い――と思いきや、突如として登場した本作。言うまでもなく奥浩哉の大ヒット作『GANTZ』の時代劇バージョンであります。

 ある日、嫁にしたいと思っていた女の子が、隣村の政吉に惚れていると知った半兵衛。力自慢で相撲好き、上背があるのを自負していた半兵衛は、政吉が自分より上背があって腕っ節も強いと聞かされ、その翌日隣村に押しかけるのでした。
 そして出会った政吉は、百姓ながら太刀を腰に帯びた寡黙な美青年。そんな彼に対して、降り出した雨の中、強引に相撲を仕掛けた半兵衛ですが、その最中に村の子供が流れを増した川に転落――川に飛び込んだ二人は、子供は助けたものの、そのまま溺れ死んだのですが……

 次の瞬間、奇妙な堂宇の中で目覚めた二人。その前にいたのは、やくざ者めいた男たちと裃姿の中年の武士、若い侍たち、初老の町人、子供たち――そして一抱えはありそうな巨大な黒い珠……!


 という第一話の本作、雑誌掲載時は冒頭ではタイトルが伏せられ、ただ奥浩哉原作の時代劇スタートということで読んでみたら、最終ページで『GANTZ:E』というタイトルが掲げられてひっくり返った記憶があります。
 そう、本作で描かれるのは、『GANTZ』同様に死んだはずの人々が集められ、特殊装備を与えられて奇怪な怪物たちと命懸けの戦いを繰り広げる姿なのであります。

 その後、美しい姫君とただ一人状況を知るらしい少年(?)がその場に転送され、そして珠から現れた黒い着物と奇怪な武器の数々。ただただ困惑する中、さらに別の空間に転送された彼らの前には、カラスの頭を持った足軽とも言うべき怪物たちが現れるのでした。
 ある者は装備を付ける前に殺され、またある者はひたすら逃げようとして頭を吹きとばされ――そんな中で半兵衛と政吉、謎の少年は次々と怪物たちを倒していくことに……

 と、この第1巻の時点では、突然異常な状況に放り込まれてひたすら戦うだけで終わってしまい、ほとんどストーリーは進んでいないも同然なのですが、これはまあそういうものと言うべきでしょう。

 スーツなどの装備も基本的にあのデザインで、時代劇的にアレンジされた印象はあまりない(むしろ敵方の方がそれっぽいですが)のですが――装備なしの状態で、己の剣と技のみで怪物たちとある程度渡り合う武士が登場するのは、いかにも『GANTZ』+時代劇という感じで好印象であります。
(そういえば本作ではミッション開始前に球から「佐渡おけさ」が流れるのがちょっと愉快)


 さて、この巻では雑魚を倒して、いよいよ「大将」が登場したところまでが描かれましたが――しかしどう見てもこれが「宮本武蔵」とは思えず、まだまだ戦いは続くのでしょう。

 そして何よりも、本作における黒い球はやはりガンツということでよいのか、だとしたら誰が何のために……?
 『GANTZ』の設定であれば、江戸時代にあの球があるとは思えず、そもそもこれは江戸時代の話なのか、という疑いすら浮かんできますが――まずは最初のミッションの行方を見守るといたしましょう。


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